春来たる

2006年4月1日 桜前線とともにスギに黄色いが咲きます

すっかり春です。
桜もほぼ開きました。

桜の開花と見事に出現時期がシンクロするカミキリムシがいます。

今日はオサムシが潜む森とは反対側の公園のスギをチェックします。

うひょっ・・いきなり出ちゃいました。

スギカミキリです。
スギに重篤な被害を与える害虫として知られています。

採り手は既に28日に確認に来て、♂中心でしたが採集済みです。
そこで、採り手は♀狙い。撮り手は初遭遇を目指してやってきたのですが、いきなり結果が出ました。

かなり大きな♀です。

指と比べていただくと、大体の大きさが判っていただけると思いますが、アカガネオサムシより少し大きいです。

脱出口です。
長手方向で1センチ程度です。

食害傾向=発生傾向について茨城県林業センターの資料によると

・林齢7〜8年から徐々に発生
・被害は特定木に集中し、その被害木を中心に広がっていく
・伐採しても倒木の中で生長を続ける
・山地より平地に多い
・降水量は少ない(土壌の乾燥度が高い)ところに多い
・杉林の発達していない地域に多い

つまり、こんな乾燥している近所の公園風の場所が好条件なのかも知れません。

採り手曰く、素手でドアをノックするようにスギの表面を軽く叩くと、隙間がよく判る。隙間を感じたら、樹皮がめくれ易い所を指でそっとめくると、効率が良いとのこと。

それじゃ、撮り手も自ら・・・・

ありゃ!?

出ちゃいました。

こちらも立派なトラフサイズですが、

それほど厚みはありません。

潜り込み系なので、横からのボリューム感には欠けてしまいます。

この森、近所の方がバーベキューを楽しむ公園の一角ですが、それなりに虫たちが住んでいます。

エサキモンキツノカメムシ

ヨコヅナサシガメの樹と化したネムでは、やってくる昆虫は全部捕らえられてしまいそうです。

最初の1頭が口吻を刺すと、周囲からぞろぞろと集まってきて、奪い合いが始り、樹皮上を動き回ります。

やがて何頭かが口吻を刺し、引っ張り合いのバランスがとれると、動きは止まります。

そんな光景がこの樹のあちこちで繰り広げられていました。

・・で・・ビュン と

いつもの筑波の森にやってきました。

桜の開花は始っていて、5分咲きくらいでしょうか。

ここのスギにも古い脱出口を見つけていたので、今日はいることだけでも確かめて帰ろうと思います。

しかし、もうスギカミキリは十分すぎるほど、採集できているので、他にもあちこち目がいきます。

アカアシオオアオカミキリを採ったポイント、カラスウリが集中している場所、エノキ、カラスザンショウなどなど・・・

開けた場所でふと足元をみると、春の象徴的なアブらしいのですが、ビロードツリアブという毛むくじゃらのアブが飛び回っていました。

スギの樹皮裏にいた
アカスジキンカメムシ
(5齢幼虫)です。

なぜ幼虫の齢まで判るのでしょうか?私がそんなに博識なはずがありません。

答えは

 → 幼虫図鑑さんでした
 (いつもお世話になってます)
 

そうこうしているうちに

ここにもいましたスギカミキリ

県南の公園ほどは濃くないですが、林縁の駐車場近くのスギや道路近くのスギに比較的脱出口が多く、森の中心部に向かうほど、脱出口は見られなくなります。

・・・で、とげとげに負けてしまい、奇麗に写ってくれないトホシテントウの幼虫ですが、前回撮ったときと殆ど変わりません。未熟であります。

タラノ木も見て回りましたが、ツマグロオオヨコバイや、ヤニサシガメがいるだけで、食害痕はあるものの、カミキリの姿は確認できませんでした。

また今度、ということで、本日はこれまでです。

 

採り手が事前に確認していてくれた事もあって、

あっけなくスギカミキリに出逢えましたが、

始めて見つけるには少しコツがいるように思えます。

いよいよカミキリシーズン開幕です。

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