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これ、コナラだよねぇ!

2006年11月18日 ヤナギからとばかり思っていたアカガネオサムシが・・・

久し振りに、出掛けてきました。

撮り手の赴任先のドタバタもあったりして、しばらく出掛けられなかったり、出掛けてもちょっとお茶を濁す程度の秋が終わり、もう冬になってしまいました。

と、いっても世間的には大した話しでもないんですけど、まあ、我々なりに感動のトピックもあったりして。

駐車場で、準備をすませて歩き出すと、まず目に入ったのがヤマトシジミでした。

もうこの時季になると、さすがに元気はなく、穏やかな薄日を浴びて佇んでいました。

元気なのが、ヨコヅナサシガメ達です。

間も無く越冬に入ると思いますが、ハムシを捕らえていました。この周囲にも沢山の幼虫がいて、一部は隙間に入り込んでいましたので、間も無く大集団ができ上がるはずです。

翔んできたムシを採り手が叩くと、どうやらヒラタゴミムシの一種のようでした。

 

覗き込んでいると、地元の野鳥愛好会の方々が話しかけてこられ、ヨコヅナサシガメの越冬のことやら、シロスジカミキリを見かけなくなったことなどで、ちょっと話しが弾みました。センチコガネも随分いたんだけど、めっきり見掛けなくなったねえ。。。あ、そうなんですかぁ。てな話しをひとしきり。

いろいろ伺って、お別れしようとした時に草刈り機に巻き込まれたらしいアオオサムシを見つけられ、また声をかけていただきました。

記念にパチリ。

自宅に持って帰られて、ご自分でも写真を撮られるとか。なかなか多趣味でおられます。

ここで、久し振りにMさんとお会いしました。ラッキーであります。お会いできた以上、ご一緒する以外に選択肢はありません。早速歩き出します。

タラノキに食害が無いか確認して、ふと足元を見ると

 

あ・れ・???

めっきり減ったはずのセンチ君じゃないの!?

おっとと、下にもいるぞ!

なんだか少し緑がかってるし。

 

こんな色のセンチコガネは見たことが無いのでドキドキであります。

どうやらセンチコガネです。

写真がへたれで、恐縮ですが、とても美しく、また青緑の個体もいたので、もしかしたらオオセンチかもと色めき立ったのですが、この頭楯を見る限り、どうやらセンチコガネのような気がします。

しっかし、これ気分はオオセンチですよねえ。

Mさんと採り手
談笑しつつポイントに向かう の図

 

また遅れてしまった撮り手は、えっちらおっちら追いかけます。

 

ようやく小崖につき、しゃりしゃりと削ってみましたが、アオオサムシは出てきませんでした。

代わりに出てきてくれたのが、

オオホソクビゴミムシ

なかなかイイ感じです。Mさんお持ち帰り。

近くにはアオゴミムシもいて、付近は思いっきり香ってしまいました。

スジアオゴミムシ

すっかりお馴染みになった美麗ゴミムシですが、展足は癖があって、厄介。と採り手が申してますが、無責任にも展足を任せっきりの撮り手は、ああ〜そうなんだぁ、と頷くのみの能天気なのであります。

ヒメスズメバチ

この冬、はじめての“越冬雀”は姫でした。オオスズメバチはそうでもないですが、総じて大きな“瞳”の持ち主で、冬は安心して見ることができますので、出逢った時には、怖がらずに端正な顔立ちを堪能しましょう。

ヒメスズメバチは黒いお尻も魅力的。

ここにはアオオサがついていなかったので、まだかも知れないということで、早々に切り上げ、散歩しながらあれこれ見てまわることにしました。

かなり進んだところで、ほの暗い斜面にコナラの倒木がありました。こんな環境だと、コクワか、居ればクロナガオサムシかなと思って、撮り手は油断していたのですが。

『出た!お父さん出たよ!』採り手の一言でフリーズ。いったい何が出たんだろ。

『アカガネ!』
我に返って、カメラを持って斜面に駆けつけました。

わぁ〜、アカガネオサムシ。ホントに出ちゃってる、

Mさんが、何気にコナラの倒木の樹皮をめくったのが、ここでの約30分の興奮の始りでした。

かなり長い倒木で、結局このコナラからは6頭のアカガネオサムシが出ました。こんなところで、しかもコナラから!と驚き、興奮気味の撮り手に、『この下湿地だよ』と採り手からの一言。

急傾斜の下、また木立の隙間から見える景色は間違いなく湿地のそれでした。ふむふむ、これは大事にしておかないとなあ。開発の手が入らないでくれよぉ〜!と願いつつ、他の倒木には手を出さずにおきました。

お約束通り、アオゴミムシも同居です。

久し振りにフィールドに出たところ、久し振りにMさんにお会いできました。

久し振りに土の匂いを嗅ぎ、久し振りにオサムシやゴミムシの匂いも嗅ぎました。

やはり、フィールドは気分爽快ということを再確認した一日でした。

要するに、虫好きは外が好き。当たり前のことですけど、

ちょっと幸せな冬の始まりではありました。

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