4種混合。毒ガス注意! 2006年12月16日 Mさんお薦めのポイントで楽しませていただきました。 |
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今日は久し振りにフィールドへ。 利根川を越える前、採り手にフユシャクの爆発を見たという近くの公園を案内してもらいます。 散歩コースにひらひらと多数のフユシャクが舞い、それは見物(みもの)だったそうですが、あっという間に数が減ってしまったそうです。 それでもまだいるだろうと、出かけました。 |
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町外れにある、図書館。そこに併設された、プロムナード。その名もずばり、森の図書館。 さて、フユシャクは翔んでいるでしょうか。 先ず入り口付近のトイレチェックです。
壁についていたのは・・・ |
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ゴマフリドクガの幼虫 |
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ヒメアカホシテントウ ナミテントウに似ていますが、遥かに小さいです。 |
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ウリハムシ こんな虫達をチェックしまして、その後プロムナードへ。 フユシャク、いました。いましたが、ひらひらと舞うばかりで、なかなか止ってくれません。つまり見えたのは全部♂ということです。こりゃ♀を探してるんで、止らないんだろかね。などと話しながら、冬の冷気の中美しい蛾を眺めていると、出発の時間となりました。 |
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待ち合わせ場所へは、約束の10分前に到着。 いつもなら、先に来ているMさん。今日はいません。 後で、昨夜痛飲したらしいと伺いました。 やっぱ大人ですもんねえ。 年末はいろいろそういういこともありますって。 |
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駐車場脇の畑では、白菜もすっかり冬支度。 こうして、『鉢巻き』をして寒さに耐え、甘さを増していくってわけです。熱々の水炊きが恋しい季節になりました。 Mさんも約束の時間丁度に登場し、出発です。 |
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柳林に突入するMさんと採り手です。 やなぎ、ヤナギ、柳・・・柳だらけの湿ったフィールドで、手近な朽ち木をチェックしていきます。 目標はヒメマイマイカブリです。茨城県はマイマイを採りやすいところとして知られているらしいのですが、私たちはこれまでなぜか縁遠かったもので、今日は期待しています。 |
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アオゴミムシ オサムシの露払いのような感じで、だいたいこういうフィールドでは最初に出てきます。 奇麗なゴミムシなんですが、とにかく数が多くて多くて、まいっちゃうほど出てきます。 これ、数が少なくて大きかったら・・・ |
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クロナガオサムシ ぼわぁ〜んと最初に出てくれたのは、意外にもクロナガオサムシでした。 杉の倒木など、里山や低山の森の中で見掛けることが多く、正直この湿地では念頭にありませんでした。 見飽きるほど見ていますが、厚みのある立派な体躯で、横からのシルエットが格好いいオサムシです。 |
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本日多く見掛けた幼虫です。 顔の形からするとウスバカミキリに間違いないと思います。なんちゃって、Genkaさんから教わったんですけどね。 そろそろ主役が出てきてくれるはず。。。 |
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むっひっひ!出ました。 ヒメマイマイカブリ いよいよ主役登場なのであります。茨城ラベルが一つしかなかったので、嬉しいです。これで勢いがつくってもんです。 F1のノーズのような胸と頭。大型で色彩変異も多く、黒も青も、緑も、紫もほれぼれとします。今回は青紫、やや緑がかった青、かなり緑の強い個体、とだいたい3色プラス黒をゲットできました。 |
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ここらで、猟犬を連れた方に出会いまして・・・・・ よく訓練された猟犬にくんくんされながら、お話しを聞きました。 『キジやらコジュケイなどを猟るんだよ』。 Mさんによると、この辺は狩猟OKだそうで、 朝来ると沢山の銃声が轟(とどろ)くそうです。 ちょっと怖いですねえ〜。
その後、ご夫婦と思われるバードウォッチングのペアの方も通りかかり、 周辺の鳥の話しを伺ったりしましたが、 先ほどの猟犬のオーナーと出逢ったら さぞかし気まずいんだろうなあ、、、 |
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コカブト 朽ち木からは初めてかも知れません。 なかなかの面構えです。 |
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アカガネオサムシ この近辺、かなり濃いようで、お馴染みさんになって来ました。呑気なもんで、Mさんとも『持って帰る?』『いや、前回持って帰ったし、今日はイイかな』などと贅沢な譲り合いになったりします。例えは悪いですが、分布域が限られているような種に関しては、『飽きる』ことで、乱獲抑止効果になるかも知れません。 これだけ出逢っていても写真がうまく撮れず、進歩がありません。しかも『青い捕虫網』さんで教わった簡易デフューザを忘れてしまいました。_| ̄|○ |
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コクワガタ 幼虫も含めて何頭か出ました。これはサイズも形も好いので、Mさんお持ち帰りです。 |
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キイロスズメバチ 越冬雀は少なかったです。 湿度が高めなのが影響しているんでしょうか? このキイロは掘りだした後、ご覧のように羽ばたきを始めてしまいました。翔び出しても可愛そうなので、もとの穴に戻して蓋をしておきました。ちゃんと寝てくれるかな? |
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ヒメマイマイカブリ 嬉しいことに、かなり数が出てくれました。 |
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こちらは、団子状態のアオゴミムシ 枝が朽ち落ちた跡が坑道のようになっていて、奥までびっしりでした。独特の香りも漂います。 いつもの『頭隠して尻隠さず』のポーズです。 |
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ヒメマイマイカブリ むっひっひぃ〜、いるいる |
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ヒメマイマイカブリ いいぞいいぞ!どんどんいらっしゃい! |
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Mさん朽ち木を探索するの図。 フィールドでは本当に活き活きとしています。薮から出てくると、腕白坊主のように、洋服には土と枯れ葉、草の実などがびっしりです。 |
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アオオサムシ Mさんが本当にささやかな斜面で掘り出しました。 ここは面白いねえ、と案内してくれたMさんも驚くほどでした。夏場には下生えが繁茂するのであまり奥深く入り込めないでしょうが、道の近くにも雑木や柳が多くあるので、オールシーズン楽しめそうです。 |
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散歩も終盤を迎えたころ、大きな柳の倒木を発見し、 ヒメマイマイ、アカガネ、ゴミムシなどを楽しんでいると 軽装で入ってくる“妙齢”の女性が数人おられました。 湿った草地に短靴にコンビニ袋を下げています。 『こんにちは』〜〜〜『こんにちは』 (フィールドの挨拶の基本ですね) 『何を取られてるんですか?』 (聞かれる前にこちらから聞いちゃいました) 『キノコです。こんなやつですよ』と見せていただくも、 シロートの我々にはどういうものか、判りません。 その後、リーダーと思(おぼ)しき方がいらして、チェック。
『これ、だめ。・・・・あこれもだめね!』 『こっちも違うよ』ということで、全部ダメだし喰らってました。 (勉強会も兼ねてたようです) やはり、好きなだけでは難しいらしいです。 柳の倒木につくヒラタケがメインで、 木耳(きくらげ)やサルノコシカケ類も 見掛けたら持ち帰るんだそうです。 『で、あなたたちは?』 『あ、はい、越冬中の虫を探してます』 『こんなやつですけど』 (オサムシ、ヒメマイマイをご覧いただく) 『研究ですか?』(よく聞かれます) 『いえ、楽しみで・・・』 などと少し話し込んで、おいとましました。
採り手曰く、『どくとるマンボウみたいに “佃煮にして食べるんです”って言ったら面白かったかもね』 アハハ、そういうのもありかも知れないなあ。 しかし、マンボウ氏は不用意な発言がもとで、あれだこれだと なんでもない虫の居場所を教えられ、閉口してしまった由。 虫採りのみなさま、気を付けねばなりませぬぞ (^^ゞ
ということで、長くなりましたが、探索再開であります。 |
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ヨツボシゴミムシ 小顔君(クビナガヨツボシゴミムシ)はいませんでしたが、とても奇麗なゴミムシです。マイマイ、オサムシが沢山撮れたので、今回は写真だけでもイイかなと思ったのですが、Mさんからの『標本にするとスゴイ奇麗だよ!』というお薦めもあり、一頭だけ連れ帰ることにしました。山吹色の模様がとても印象的です。 |
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アカガネオサムシまたまた出ました。 アカガネ湿原といえるほど濃いかも |
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ヒメマイマイカブリ かなり緑が濃いですが、Mさん曰く、まだまだスゴイ緑の固体を採っているとのこと。 それは是非遭遇したいですが、本日一番の緑系なので、連れて帰ります。 すでに、Mさんと合わせて20頭近く出しているので、脚の不全や、まったく同じ色の系統はフィールドに返すようにしていますが、我々的にはちょっと採り過ぎかも。 |
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オオホソクビゴミムシ あのミイデラゴミムシ一派で、ガスを発射します。写真には撮れなかったんですが、『ぱんっ』という見事な音とともに、ほぼ握りこぶし位の霧状のガスが出てきます。物の本によると、化学反応によるこの噴出ガスの温度は100℃くらいにもなるとか。恐れ入りつつ、発射を楽しませてもらいました。この仲間に出逢ったらご挨拶代わりに一発見舞ってもらうことをお薦めします。ある意味、今回のハイライトでした。(直接素手で突いたり、顔を近づけ過ぎないようご注意のほど。念の為) |
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・・・てなわけで、あたりも暗くなって、ホラー映画のような風情が漂ってきました。 本日はたっぷり冬の一日を堪能させてもらいました。それにしてもこの界隈のオサムシ、マイマイの分布状況は気になります。色、サイズ、種類など地図と連動してチェックしてみるのも面白そうです。 |
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この環境ができるだけ長く残ることを祈りつつ、 本日は終了です。
Mさん、どうもありがとうございました。 お陰さまで、最近溜まってた“虫に逢いたい症候群”は すっきりと解消しましたが、 “また行くぞ!症候群”発症!あらら。
また、是非ご一緒させてください。 |
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