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お邪魔なら行っちゃうよ

2006年12月31日 家にいても掃除の邪魔。なので“ムシ納め”れっつごー!

撮り手の仕事は“なんちゃってシステム関係”、なので正月休みも一日潰れてしまいました。年末には、ちょっとした行事やら、買い物やら、掃除やら・・・・・ん?掃除?そりゃただ邪魔なだけじゃありませんかぁ!?なので、大晦日だというのに、採り手と午後からお出掛け決定!

2週間ほど前、Mさんと歩いたフィールドを、下手な写経のように、少しはみ出しながらなぞることになりました。

撮り手は画面にしがみつく仕事なので、体力もないし、いつも気がつくと独りぼっちで取り残されていたりします。あらら、またかい!と歩を進めると、親子の有難さか、採り手は適当なところで待っててくれたりして、まあ、行動範囲の狭いこと狭いこと、申し訳ないのですが、甘えさせてもらってます。

今日は数日前の大雨の影響で、水をかなり含んだ後背湿地は、冬とはいっても歩き難いです。泥濘(ぬかる)みを巻ながら、適当な朽ち木を探して行きます。

おっととと!

採り手の呼び声にえっちらおっちら行ってみると、久し振りにカメノコテントウが顔を見せてくれました。大型で美しいテントウムシですが、はて、この辺オニグルミあったかなあ?

出ました、アカガネオサムシ

南茨城ではすっかりお馴染みになってしまいましたが、このエリトラ(撮り手は“翅鞘”で育ちましたが、“鞘翅”と呼ぶ方が一般的かも)は何度見てもグッドルッキンなのであります。

この一帯は、適当な越冬場所が多いからか、探し方が悪いのか、一ヶ所で何十頭も出る、という経験はまだしていません。あちこちに転がっている朽ち木から、単独〜数頭単位で出てきます。何が出るかは、その時次第ですが、ヒメマイマイは比較的土化が進んだ所に潜んでいるように思えます。フレーク状の朽ち木には、両方可能性があり、フレークになる前だと、アカガネオサムシの比率が高いかも。

アオゴミムシです。前座、といったら失礼ですが、そんな印象があります。

これが出ると、その近くか奥にお宝が潜んでいることがあるんですが、それはアカガネオサムシだったり、ヒメマイマイカブリだったり。この虫はかなり多く、香りも強いので、集団に出くわすと結構キビシイですハイ。

ヒメマイマイカブリ

やた!何度見ても奇麗だなあ。

京都の“宇治虫”さんによると、あちらでは黒がほとんどだそうで、こういう色物は貴重とのこと。こちらでは、緑も少しと、時々黒がいますが、大型の黒は正直ちょっと羨ましいかも。

ヒメマイマイカブリ

こちらは、緑系。

残念ながら、エリトラが少し凹んでました。

このフォーミュラカーのノーズのような前胸から頭部のラインと輝きがこの虫の大きな魅力です。

このあたりは、林内に陽射しが良く入るのですが、湿り気が多く、川柳も多くあって、朽ち木に満ちあふれています。

問題は、狩猟がOKなことで、今日も何発か銃声を聞き、猟犬の姿を木々の間から見、その吠え声を近くに聞くと、『お願いだから間違わないでね』と思っちゃいます。危ない雰囲気の時は、人だヨン!と認識してもらえるように、見通しの良い所に立ったりもしますが、大晦日に鉄砲担いで・・・あ、大晦日の物好きはお互い様ですね。

銃声はするものの、それなりに、虫もでてくれているので、気持ちのいい散歩を続けます。

アカガネオサムシ

じょわん!

地面から半分浮き気味で、湿り気不足と思ったのですが、柔らかな感触なので、一応めくってみたところ、奇麗なエリトラを見せつけるように出てきました。

いいでしょ、これ。

ヨツボシゴミムシ

前回、持ち帰ったところ、なかなか“標本映え”する美しいゴミムシです。

ヒメマイマイカブリ

フレークというより、ほとんど土化した朽ち木の中から出現しました。結構元気で、すぐに歩き出し、カメラマン泣かせであります。

午後遅くの出陣だったので、だいぶ陽も傾いてきました。

ヒメマイマイカブリ

これは増水した時に明らかに水没していた朽ち木に潜んでいました。カメラ任せの自動調光なので、どうしても青みが出ますが、実際はかなり黒い個体です。

そろそろお開きというときに、出てきてくれた印象も色味も深い完全体です。

さて、ぽちぽち帰ることにします。

予定よりはずっと多くのオサムシに逢えましたし、大晦日の夕餉はノンビリ迎えたいので、ここらで撤収です。

ここも含めてアカガネオサムシは予想より広く生息していることは間違いありません。この環境が末長く維持できるようにと願いつつ、2006年最後のフィールドを後にします。

ヨツボシゴミムシ

ちょっと気に入ってしまったので、

自宅でオマケの一葉。

パチリ。今年最後の虫の写真です。

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