フィールドワークの小物たち(延長戦) |
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ルーペについて蘊蓄(うんちく):案外ちゃんと説明してるかも・・・ |
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ルーペの倍率 ディオプター(D)から計算します。 20Dのルーペなら5〜6倍 ただし、使用方法の限定される宝石鑑定用などのルーペは、8倍、10倍などと明示できます。これ以外のルーペにディオプター表示がないものは光学的に責任をもって作られたものではありません。 それでもりっぱに役立ちますけど。 |
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以下、悪戯坊主と呼ばれたことのある方向けに、ちょっと込み入った話しをします。
(D/4)≦M≦(D/4+1) ※ ディオプター:レンズの焦点距離をメートルで表した数の逆数(頂点屈折力) ※※ 倍率表示には、カタログメリットのため最大倍率が表示されていることもあります。 裸眼(明視の距離Fo=250mm)で見た時の大きさに対して、どの位大きく見えるかということなのですが、同じルーペでも、眼を近づけた時と、眼を離して見た時、また眼のピント合わせの状態によっても倍率は違います。同じ空中光学系の製品でも、顕微鏡や望遠(双眼)鏡と大きく違うところです。一方カメラの場合は結像光学系(焦点板やフィルム、CCDへの結像が対象)ですので、ファインダー倍率、撮影倍率など、非常に明確に表示することが可能です。 一般用ルーペにはディオプター(ディオプトリ)という単位か焦点距離が明示されている必要があります。焦点距離のメートル逆数がディオプターです。4Dなら焦点距離は250ミリ、10Dなら焦点距離は100ミリです。 |
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<倍率[Magnification]> 倍率は使用状態によって異るため、通常一般向け商品には表示されず、ディオプター[D]を表示してありますが、宝石鑑定用等使用法が限られるものについては、その使用状態に合わせた倍率が表示されています。 |
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M=(1+f/d-c/d)(Fo/f) して、そのココロは・・・・・・・・ 下図のtanθとtanθ'を比べてあげれば良いのですが |
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レンズの公式などから・・・ 1/a-1/b=1/f a=bf/(b+f) y'/y=b/a y'={(b+f)/f}y こんなのを使って行きます |
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M=倍率 Fo=明視の距離(25mm) f=ルーペの焦点距離 ・後ろ側焦点に眼を置いた時で 【1】 眼のピント合わせが無限遠 【2】 眼のピント合わせが明視距離 ・レンズに眼を近づけた時 【3】 眼のピント合わせが無限遠 【4】 眼のピント合わせが明視距離 に分けて考えると ▼ 【1】〜【3】 M=Fo/f ・・・・・・・ <a> 【4】 M=Fo/f+1 ・・・・・・ <b> ・おおまかな指標 M=250/f または M=D/4 <c> ですが、実際にはその中間もあり、様々な倍率で利用されています。 >>> ルーペの倍率範囲は M=D/4 〜 M=D/4+1 となることが判ります。 |
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■ 使いやすいルーペと使い方のコツ ■ あくまでも一般的な利用範囲ですが、 ●片方だけぷっくりと膨らんだ平凸レンズ(またはそれに近い形状のレンズ)を 選んでおくと、両側から別の使い方ができるので便利です。 【レンズに眼を近づけて見るとき】 凸部を対象物に向けます。つまり眼側は平な面が来ます。 【レンズから眼を離して見るとき】 平部を対象物に向けて使います。 こうすることで、低〜中倍率ルーペに目立つ歪曲(象のゆがみ)の影響を 少なくして、快適に使うことができます。
手持ちのルーペをいくつかご紹介 |
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子供の学校のバザーで買ったもの。確か100円。 |
上はNikonの宝石鑑定用10倍。モノセントリック(同心円状の断面を持つレンズ系)と言われる3枚構成だと思います。1ミリあたり80本以上の解像度を誇ります。ダイヤを鑑定する時に邪魔という理由から、コーティングはされていません。下は平凸レンズ2枚重ねの20Dのもの、かなり性能もしっかりしています。 |
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眼科医が使う眼底観察用非球面ルーペ。非常に高価で高性能のはずですが、一般用途では象の流れが酷くて使えません。 |
非球面プラスチック等凸レンズを採用した、読書用と言われるタイプ。非球面レンズは歪曲を軽減してくれるのですが、光軸がずれると却って増加してしまいます。つまり、斜めに見るとだめ。正しい姿勢を要求されます。 |
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