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杉のアパルトマンは満室御礼

2007年2月3日 銅・黒・青。オサムシのルームシェアリング進行中

昆虫写真のサムネールをクリックすると拡大画像が別ウィンドウで開きます

・・・今年はアカガネオサムシとヒメマイマイカブリは満腹するほど採れ(撮れ)ましたが、

アオオサムシを少し追加できないだろうか。

で、やってきました。

風が強いです。吹き曝しは寒いです。森の中はどうでしょうか。

今回は、住宅街をへずるように、歩きます。個人宅や町のメルクマールが写り込んでしまいそうなので、フィールドの写真は遠慮させていただき、穴居人の壁画モドキ、へったぴぃな略図とさせていただきます。

車止めから南へ小池も巻いて歩き、丘の内部を抉(えぐ)るような、半切り通しの高さ2メートル程の崖に取りつきました。風も入ってきません。表面を少し削ってみます。

マルガタゴミムシ(多分)

ちょいとオトボケな感じの愛嬌あるゴミムシが出ましたが、この後がなかなか続きません。

どうなんでしょう。今年はアオオサ不作?まさか、本日唯一の甲虫なんてことはないですよねぇ。ともあれパチリ。

ルイスオオゴミムシ

ゴミムシの中では大好き系です。頭部から前胸背の美しさはアイヌキンなんたらにも負けません。と言ったら褒め過ぎですね。本日の持ち帰り第一号。

好きな虫が出てくれると、元気も出て、少し検索範囲を拡げてみたます。

アオオサムシ

よっしゃ!本日の真打ち出ました。

私たちにはオサムシの基本です。大型で、いつ見ても美しいです。

クロシデムシ
(拡大画像ありません)

高い崖なのであまり深く掘るのは憚(はばか)れるのですが、横の崩れて荒れる心配のない部分を少し深堀すると、大型の甲虫が出て驚かされました。漆黒の体躯、大きな眼、強烈な顎、爪もしっかりしています。越冬室もしっかりしています。

クロシデムシ

外に出してみました。

本当に黒いです。こうして見ると前胸も丸く広く、迫力があります。シデムシを持ち帰ることは殆どないのですが、これは即決です。

コクワガタ

崖を上り詰めると、踊り場のような陽当たりの良い広場になっています。半腐れで、半分土中に埋まった赤松の朽ち木がありました。

念の為、覗いて見ると、なんとクワっちのお出ましです。スレた印象もありませんので、ここで幼虫時代を過ごした可能性もあります。ホント?

一服したら、次は葦と柳の若木が茂る湿地の中の道を抜け、次のポイントです。湿地脇を駆け上がるような小径です。時々犬を連れたり単独だったり、散歩する地元の方。それと畑仕事の行き帰りの方が通りかかりますが、ここまで来ると、車の音も殆ど届かない静かなところです。

道端の朽ち木と、積もった落ち葉、それに土を少し削って、虫をチェックします。

コガシラアオゴミムシ

手始めは、湿地脇に倒れて朽ちた杉です。

冬活発に活動していると、『コガラシ』とリネームされるかも(オヤジの発想、スミマセン)。

ちょっとシックで奇麗なゴミムシです。

アカガネオサムシ

お馴染みアオゴミムシがワラワラと出た付近に、潜んでいました。この冬はすっかりお馴染みになりましたが、このエリトラ(翅鞘=ししょう)は、まだまだ見飽きることのない、魅力を感じます。

アカガネオサムシ

同じ朽ち木の住人です。外から見るよりも、中はしっかり湿っているようです。

 

次に、近くの土を剥がしてみることにしました。

スジアオゴミムシ

おっとと。すっかりお馴染みの『外道』ですが、出てこないとやはり寂しいもので、これで何となく一安心。妙な虫です。

個人的には、脚が黒ければ相当行けてると思えるんですけど、どんなもんでしょうか?

アオオサムシ

うひひひ、出てくれました、本日の本命。

近所の方が通りかかり、少しお話しをしていかれました。『越冬中のこんな虫を探してるんです』と、ご覧戴くと、なぜか今回も『研究してるの?』私たち親子のどこをどう見たら研究者に見えるのか。まったく判りませんが、少なくとも敵意を持って見られていないことは有難いことです。

アオオサムシ

なかなか良い色具合ですが、できればもう少し青みの強い個体が欲しいところです。

  で、

ようやく、

そんな期待に応えてくれる個体が

アオオサムシ

出てくれたのであります!

写真を撮られる方はお判りいただけると思いますが、ポップアップのスピードライトを使っても、これだけ緑が残っています。

アオオサムシ

こちらも、しっかり緑に輝いてくれています。

これ、ネットリと練り固まった粘土の奥から出てきました。どうやってこんなところまで入ったんでしょう?

アオオサムシ

近くからも出てくれたので、ツーショットでパチリ。

ここでは、落ち葉の下からも出て、それなりに賑わっていました。これだけ出れば、もう今日の目標は終了(レベル低いですけど、まあ慎みながらやってます)ですが、まだ日も高いです。

反対側もチェックしようか。と、採り手の提案。ですが、撮り手はもう歩くのもしんどくて『これからそんな遠くまで!?』 『大したことないよ。ここまっすぐ歩いて道路に出たら曲がってすぐだし』・・・そうだったっけか?空間認識の弱まっている撮り手にはイメージが出てきませんが、とにかく行ってみます。途中畑仕事の元気なオヤジさんと、お話をしてひと休み。のんびり歩くと、案外簡単に到着しました。

アカガネオサムシ

裏に湿地を控える駆け上りの上部に、朽ちかけた杉の木が一本ありましたので、浮いた樹皮をめくると、ちゃんと出てきました。

こりゃ有望かも、と柔らかそうなところをチェックしてみますが、

アオオサムシ

嬉しい予想外。朽ち木からの出現でした。拡大写真をご覧戴くと、かなり湿っていることもがわかります。

崖の土中、粘土の裏、落ち葉の下、それに朽ち木。アカガネオサムシに負けず劣らず、環境順応性が高いとみました。

クロナガオサムシ
アカガネオサムシ

同じ樹です。こちらでは、クロナガオサムシとアカガネオサムシが仲良く同居です。

この杉はオサムシのアパルトマンと化していたわけです。

アカガネオサムシ

ここでの締めは、アカガネオサムシです。

少し前まで、足を伸ばすのを嫌っていた撮り手もすっかりご機嫌で写真を撮りまくっているのでありました。

ここで、日も傾き本日は本当に終了となりました。

 

アオオサムシを何頭か追加できたら

切り上げて付近を車で散策してみようか

それとも少し距離を稼いで偵察に・・・・

などと考えていても、出始めると夢中になります。

 

結局オサムシ3種で30頭を持ち帰り、

この冬のオサムシ探しは区切りをつけても良いかも。

でも、また少し経つとどうかなあ????

 

カミキリスイッチもそろそろ・・・

次は『苦手種目』。材でも探しにいこうかなあ。

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