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コバネも出たし、ソフトランディングですが・・・

2007年疾風怒涛の黄金週間〜5 秩父天牛オデッセイ:第3日目(最終日)

2007年5月3日 奥秩父 

  コジマヒゲナガ・コボトケヒゲナガ・ホソツヤヒゲナガコバネの3種も出て

  大団円なのですが、撮り手には写真の整理、さらに採り手には展足という

  修行僧のような仕事が待っているのです・・・・・なんて、それもこれも

  採れてこその話しです。すべて含めてフィールドの楽しさであります。

昆虫写真のサムネールをクリックすると拡大画像が別ウィンドウで開きます

名残惜しくもありますが、たっぷりと楽しませてもらった宿を出ます。居たり居なかったり、のんびりした駐在所も陽を浴びています。

あ、そう言えば、今年は宿のところだけ、携帯(au)のアンテナがちゃんと立っていました。

お世話になりました。また来ますね。

もう仕事の準備も始っていて、見上げると何人かが急な斜面を登り始めていました。

我々が遊ばせていただいている間も、材の搬入搬出で忙しい一日になるのでしょう。

山を下ったら、道沿いのカエデをチェックしたり

見通しの良い斜面を見下すカエデをチェックしながら、少しずつ進路を我が家の方に向けていきます。

ここは吹き上げ採集も面白そうなポイントです。

それでは帰り道のカミキリ達のご紹介です。

ホンドアオバホソハナカミキリ

ヒナルリハナ、ピドニア、コバネカミキリなどを探す目になっていると、かなり大型に感じますが、それほど大きくはありません。トゲバカミキリ程度でしょうか?

美しいカミキリです。

ホソツヤヒゲナガコバネカミキリ
(拡大画像ありません)

コバネカミキリの中でも特に小型で、活発なため、現場での写真は難しく、チャック付きビニール袋に入れたところで、ぱちり。まあ、シルエットは何とか確認できました。

で、自宅でもう一度パチリ

もう少ししっかり撮りたかったのですが、何だかなぁの写真になってしまいました。

コジマヒゲナガコバネカミキリ

エリトラ(翅鞘)の斑紋がハートになってます。

茨城でも出逢っていますが、今日は3種のコバネカミキリを見ることができました。

コボトケヒゲナガコバネカミキリ

今回出逢ったコバネカミキリの中では立派なサイズで、“ヒゲナガ”振りも見事です。

トガリバアカネトラカミキリ

これも茨城で出逢ってから、ずっと憧れています。

場所によっては花や粗朶で優先種になるというのに、縁が薄いようで、なかなかお腹いっぱいになりません。

良いカミキリムシですよねえ〜。

ホタルカミキリ

他のカミキリに目を奪われていて、撮り手は殆ど意識がなかったのですが、採り手によるとかなりの数が出ていたそうです。

これが大きければ麝香的な・・・(^^ゞ

 

こんな風にちょっかいを出しながら、追加も得て、

楽しく国道を秩父市街に抜けました。

 

美味しい蕎麦屋さんでささやかに成果を祝い、

多量の展足で足りなくなるだろうコルクボードも

ホームセンターに立ち寄って補充。

 

後はひゅいぃ〜んと自宅に向かったのですが・・・・

 

実は採り手の発案で、出発間際に宿の裏の河原に出て、

サワグルミの落ち枝と思われる材を少し拾っていました。

 

以下、その材についてのサフィックスであります。

現場で枝を削ったところ、蛹が出てきました。

『ハチかぁ!?』(撮り手)
『カミキリだよ!』(採り手)

現場では、枝に戻すことができなかったため、採り手がプラケースに土を詰め、蛹の大きさの溝を穿って、“緊急コンテナ”を作って持ち帰りました。

持ち帰ったところ、すぐに羽化したようです。まだ色が出ていませんが、ニセリンゴ系かもしれません。

ブロイニングカミキリ

色も落ち着いたところです。

同定が困難に思えたのですが、カミキリ情報館でニセリンゴ系についての解説があり、そちらを見ながら日本産カミキリムシのチャートと照合作業をしました。

羽化直後の拡大写真です。

色が付く前だし、触角の影になって見難いのですが、小楯板が四角形になっているのが、大きなヒントになりました。

こちらは、模様の鮮やかな個体です。

美しいカミキリムシですが、『ブロイニングって何だろ』と思い、調べてみたところ、発見者の名前ではなく、フトカミキリ亜科の権威ステファン・フォン・ブロイニング博士に献名された(カミキリ情報館)とのこと。

にゃるほどぉ〜であります。

シロオビゴマフカミキリ

小型のサビカミキリくらいの愛らしいカミキリムシです。今回材から出た2種はどちらも初遭遇でした。

カミキリ採集の醍醐味はルッキングだと思っていますので、ライトトラップや材採集はいまひとつ熱心になれなかった(撮り手の場合、当り材を拾えないという根本的な課題もありますけど)のですが、材でないと得難い種類も多いようですので、見直さなければいけません。(自己採集種に加えるという点には、何となく違和感は残ってますけど)

 

2泊3日の奥秩父巡り、終わってしまえばあっさりしたものですが、

茨城県南部の植林帯とゴルフ場に囲まれ、整備された半自然を

活動の中心にしている私達にとっては、ちょっとした冒険気分です。

 

豊かな自然に抱かれてお住まいのみなさまがご覧になれば、

運が良かった部分もあるけれど、この時季こんなもんじゃないのかなあ、

という程度かも知れませんし、むしろ気にも止めておられないでしょう。

 

しかし、多くのフィールド大好き(元も現役も)少年少女達は、

それぞれの仕事、勉強の合間を縫って、天候を気にしながら、

情報を整理し、計画を練り、期待と不安を胸に出掛けられたことでしょう。

 

求め、そして得られた昆虫達の希少性や多寡は別として、

それぞれ出逢いの喜びと興奮を、

そして少しの落胆とリトライへの小さな決心も含めて、

どこかの空の下、ネットを振っていらっしゃる方々や

都合で出掛けられなかった方々のことを思ったりしながら、

汗だくになって夏の花を掬う自分達の姿を

早くも思い描いているのであります。

 

第一日目:ビャクシンカミキリとの第3種接近遭遇 から続く

 第2日目:良いんですか?オオマルクビヒラタまで! から続く
(チビハナカミキリ・ミヤマルリハナカミキリ・シロトラカミキリ他)

 第3日目:ホンドアオバホソハナ!コバネカミキリ3種! このページ
(ブロイニングカミキリ・トガリバアカネトラカミキリ)

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