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地味だけど 期待華やか 材採集

2007年12月15日 埼玉県“奥座敷”方面

  材採集の楽しさは、好奇心とイマジネーションに比例するのであります

昆虫写真のサムネールをクリックすると拡大画像が別ウィンドウで開きます

突然ですがタイヤ換えました。

今までの冬タイヤは春にパンクしたまま放置していて、ちょうど減りも進んでいたこともあって、思い切って履き替えてしまいました。高性能冬タイヤは雨やドライの舗装路がまったく駄目なので、バーンや雪での性能は少し落としてみたところ(価格も少し安い!)、大正解、妙なふわふわ感も殆ど無くなり、カーブも安定しています。

ブリザックで道産子と張り合う必要は無いってことでしょうか。

・・・ということで

時間はかかりましたが、埼玉県の奥座敷に到着しました。思ったより水量は豊富です。

長靴に履き替え、堰堤近くを向こう岸に渡りますが、この付近なら濡れずに歩けます。

サワグルミ、ハルニレ、ハンノキ類の落ち枝でカミキリムシ、あわよくばトホシカミキリ族の幼虫を持ち帰ろうという魂胆(こんたん)であります。

冬の沢はだいたいこんな感じでしょうか。

夏には、町から釣り糸を垂れる人や、水遊びをする家族連れもやって来るような、容易にアプローチできるところです。

秋の台風でしょうか、上流から流されてきた枝が草地の際にまで犇(ひし)めいています。

かなり増水があったようですが、ゴミが殆ど流れ着いていないのが奥座敷の嬉しいところです。

サワグルミです。

樹皮に独特の深い縦筋が走りますが、同じような樹もありますので、最初はなかなか判断がつきませんでした。(今も怪しいのですが)落ち枝になると益々判り難くなりますので、枝先で枯れているような部分を良く見ておきます。

太マジック位の太さの枝は少し赤茶色でざらざらした表面のものもあることが判りました。

 

セオリー通り付近の枝を拾い始めます。

怪しい枝をポキポキしたり、樹皮をめくったりして、芯に潜むもの、樹皮下に潜むものも見落としをしないように気をつけますが、相手は小さく、撮り手にはきつい作業になります。

“材採集は眼が命”とは言いませんが、視力はとても重要です。

(拡大画像ありません)

採り手が数本目で幼虫を出しました。

落ち枝は幼虫が潜んでいなくても、腐朽が進むと折れやすくなります。そして食害を受けていると、その部分から折れて、肝心の幼虫が弾け出てしまうことがあるので、注意します。

(拡大画像ありません)

樹皮下に潜む幼虫です。

こういう姿を見ると、カミキリ好きの顔は自然と綻(ほころ)んでしまう仕組みになっています。

 

ところで、材採集のときに出て来てしまった幼虫の処理ですが、

上のように折れ目から顔を出している幼虫の場合は、

できるだけ他の枝から余った樹皮を被せたうえで、

セイニチのユニパックのような小型の(パック付き)ビニル袋のようなもので

覆うだけでも、奥に引っ込んでくれることが殆どです。

 

芯食いの幼虫が完全に出てしまうと、現場での処理が難しいこともありますので、

ビニル袋にそっと入れ、それを小型のプラスチックケースに入れて

潰れないようにそっと持ち帰り、自宅でゆっくり埋め戻すこともあります。

 

樹皮下にいる幼虫の場合は、そっと樹皮を被せてテープで止めてしまうのが

手っ取り早く、殆どの場合そのまま自宅で管理できます。

 

このテープについては、同じ日、同じころ奥多摩で材採集をされていた

Genkaさんが非常に便利な方法を採集記で紹介されています。

治療用の紙製のテープ(サージカルテープと言われるもののはず)で

止めるそうですが、ビニールテープやセロテープに比べて、

取り扱いが楽で、ポケットにも簡単に納まりますので、これは便利そうです。

 → Genkaさんのサイト  → 採集記 

このような、ちょっとした知恵の差がフィールドの効率を大きく左右します。

古くなったサージカルテープなら、救急箱の奥にひとつやふたつありそうです。

で、早速単身赴任中の寮の救急箱を探してみました。

 

ありました!

それも2つも。紙製の方は粘着面がべたついていて、皮膚には使えそうもありませんので、早速マウンテンジャケットのポケットに放り込んでおくことにしました。

Genkaさま、お知恵拝借いたします<(_ _)>

 

 

・・・・・現場に戻ります・・・・・

下流方向を見たところです。

落ち葉が敷き詰められ、ふわふわです。

ところどころ艶のない黒豆のような鹿のフンも落ちていましたが、樹皮まで剥がされているところは見掛けませんでした。。

ハンノキの一種やハルニレもそこそこあります。家族連れのレジャーも想定しているためか、付近の遊歩道には樹種名の掛かった樹があるので、とても助かります。

(拡大画像ありません)

芯に潜む幼虫もいました。

明らかに別種ですが、無事成長してくれるでしょうか。

ヒサゴゴミムシダマシと???

小一時間もすると、老眼で、感も悪い、つまり材採集効率の抜群に悪い撮り手は飽きてしまい、朽ち木を削ったりしはじめます。

左のゴミムシは形はオオゴミのように見えるのですが、ヒサゴゴミムシダマシは15ミリ程度です。このサイズだと考え難いですし、いわゆるひとつのプテロとかいうものかいな?などとボンヤリ考えていました。

謎のままアップです_| ̄|○

(拡大画像ありません)

ぐだぐだの撮り手に比べ、てきぱきと幼虫を出す採り手は快調を維持したまま、拾い続けています。

こちらも樹皮下の元気君。

良いぞ好いぞぉ〜!

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樹皮下の超小型幼虫。

この写真よりももっと細い、手帳に挟む小型ペンシル程の枝からも出て来ました。

(拡大画像ありません)

黄色がかった幼虫が落ちました。

蛹化が近いと色づくのでは?と、採り手は言います。

そういえばベニカミキリも終令は黄色かったなぁ〜

クチキクダアザミウマの幼虫(かも)

体長は3ミリに満たない、2ミリちょっと程でしょうか、真っ赤な虫がかたまっていて驚きました。

見つけた採り手も思い浮かばないと言うし、私も手持ちの図鑑などを見ましたが判らず、ネットの幼虫図鑑さんにお訊ねしたところ、食菌性のアザミウマ類の幼虫だろうとのこと。

古い図鑑を引っ張り出してみたところ、どうやらクチキクダアザミウマらしいのですが、他に近似がいるかも知れません。

 

前回の採集記から長いブランクがありました。

フィールドに出ていたことは出ていたのですが、

この冬はオサムシやマイマイ掘りのエネルギーは絞り込んで

材拾いをしてみよう!

と、二人で決めました。

決めましたが、材拾いの経験も乏しく、樹種もほとんど判らず

茨城県南で材を拾ってみるものの、あまりパッとしません。

 

昨年大量にフユシャクが沸いた近所の公園も閑散としていました。

そんなこんなで、筆無精というより、ネタが無かったのです。

 

今回は思い切って埼玉県の奥まで出掛けました。

だめでも清冽な山の空気を吸えるじゃん! ってことで。

 

案の定オイオイ!って内容ですが、

ひょっとして参考になるかも知れませんのでアップしました。

 

遠路はるばる往復8時間もかけて出掛けたのですが、

二人とも、じゅうぶんに楽しんだことだけはお伝えしておきます。

 

 

 

小型のカミキリムシの幼虫は、初心者には種類も判り難く、

膨らむのは夢ばかりという結果になることもあります。

それもまた醍醐味なのであります。

 

ではでは

上手く出て来たら、またご報告させていただきます。

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