虎ニュース!? 茨城のトラニウス(Thranius) 2008年7月13日 茨城県北部に憧れを訊ねる旅 トラフホソバネカミキリ(Thranius)は想像以上に良いカミキリでした。 |
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我が家のツマグロヒョウモンは順調?に育ち、パンジーは丸裸、スミレも殆ど丸坊主にしてしまいました。 トレリスと言うのでしょうか、薔薇を支えている木製の支柱にも蛹が下垂しています。 そんな朝、採り手が携帯で天気予報をチェック。 埼玉県南部より茨城県北部の方が降水確立が低い! |
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・・・で、北北東に進路を取るにだ! 咲いているのはネズミモチばかりというのがちょっと気になりますが、天気は持ちそうです。 できるだけこじんまりしたPAで水分と少しのカロリーを補給して、順調に進みます。 |
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日曜日の県北の町は商店もほぼ休み。 人通りも車も少なく、さほど幅もないメインストリートを抜けて行きます。 |
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やがて県道が山間を走るようになると、目的地が近い証拠です。 渋滞も無く、さくさく進んでいます。 |
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さらに30分ほど、逸(はや)る心を押えつつ安全運転で走り、県道から入口をきゅいんと入ると、あっというまに山道らしくなります。 アカメガシワも咲いています。陽当たりや標高の差で、色々状態の違う花があるので、チェックしながら登って行きますが、カミキリの姿は見えません。 ここでは、シラホシキクスイの追加、ベーツヤサ、トラフホソバネカミキリとの初遭遇を狙っているのですが、シラホシキクスイはぎりぎり可能性はあるものの、ベーツヤサはちと遅過ぎたかも。いずれにしても、ここではそれほど多くは期待できません。 ルックルックルックルックルックルック、ひたすらルッキングであります。 |
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大きなカラスザンショウも所々にありまして、半枯れの幹には多数のナガタマムシが歩き回っていました。 ちょこちょこ動き、中には壊れたチョロQのように忙しいやつもいて面白いです。
更に進むにだ! |
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財源が何かと話題になっていますが、道路拡張の際に処理された材が積まれています。 乾燥しており、キスジトラカミキリと大量のエグリトラカミキリを確認できただけでした。 ・・・んん〜ん 外したかにゃあ〜、などと二人話しながら道を進め、感触のありそうな花や材をチェックして行きますが、成果はありません。 久し振りに来れただけでも良かったよね。 |
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そんな空気を一変させる出来事が起こるとは、信じ難いほどの、若過ぎるアカメガシワが一本。 採り手が、何気なくネットで叩いたところ、ポトリと落ちたカミキリがありまして、下にあったカラムシの葉上に着地。 やったぁ! と言ったかどうか、覚えてませんが、木霊が返ってくるような発声が、少し離れていた撮り手の耳に飛び込みました。 |
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トラニウス! 『えっ!?』単語が聴覚神経を通じ大脳皮質で解釈された途端、あのD3も敵わないほどのタイムラグの無さでアフターバーナーがオンになった撮り手が、メタボな体を揺すりながら小走りに林道を下って行くと、格別の笑顔でネットを持つ採り手が待っていました。 息切れと興奮で写真が激しくブレてしまいました。お恥ずかしい<(_ _)> |
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トラフホソバネカミキリ 素晴らしいカミキリムシです。 ところによっては集中して出現するそうですが、私達はモチロン初見。茨城県では残念ながらそれほど多くはないようです。 |
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そんなカミキリに茨城県で初遭遇を果たせたことも大きな役になるわけで、我が家的にはホームゲームでハットトリック的な価値があります。 プロフィールもおっけい!! |
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少し前の停滞気分から、一気に高揚してしまったこともあって、しばし景色を眺めて休憩です。 『あの尾根も良さそうだよなぁ』、『他にも良い山が沢山あるにゃあ』・・・ 興奮を少し冷まして、探索を再開するも、追加は無し。そりゃそうでしょうね。 で、『炭焼きのオジサンのとこ行って材みせてもらおか!』ということになり、先に進みます |
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こんにちわぁ〜(あれ、お二人??) この日は甥御(おいご)さんと一緒に炭焼きをされていました。お二人とも楽しみでやっておられるとか。 甥御さんに『カミキリムシ採ってんだって!こぉ〜んちっちゃな(と指で示しつつ)。去年見せてもらったんだけど、いろいろいるんだぁ〜』・・・有難い事に私達を覚えていてくれていました。革(あらた)めてお世話になったお礼を申し上げ、今年も何度かお邪魔しますが、よろしくお願いします。と、引き続き遊ばせていただく許可をいただいたのでした。 |
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シラホシカミキリ 到着時は午後2時頃で、トホシの時間帯には早かったようです。しばらく付近を散策していると2時半くらいから、カミキリが見つかりはじめました。 材にはキスジトラカミキリも来ていましたが、やはりエグリトラカミキリが活発に飛来するのが目立っていました。ネムと思しき一本の伐採木には、ホタルカミキリが集中していました。 |
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ヘリグロリンゴカミキリ 今まで出逢ったものより一際見事な『へり黒』ぶりです。 そろそろ潮時、という頃には、お友達らしい方も交え3人で楽しそうにタバコを燻(くゆ)らせておられまして、ご挨拶方々昔話(観光バスの運転手をされていたとか)や世間話をしながら我々も休憩し、その後お暇(いとま)しました。 |
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帰路は、同じ道をアカメガシワ中心にトラフホソバネカミキリの追加を狙いつつ戻り、だめなら潔く蕎麦食べて帰ろう!作戦となりました。 『あそこ(食堂)案外早じまいだったよね』、『そうそう夕方になるとしまっちゃうから、サクッと見て行っちゃお!』 |
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ハスオビヒゲナガカミキリ そんな中、トラフホソバネポイント近くの粗朶で見つけたのですが、近くにはタマアジサイと思われるアジサイも多く、そこで発生しているものと思われます。 触角が長く、フレームに入りません。 |
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本日最大の悔恨の現場です。 この向かって右側のアカメガシワの枯れ掛けた幹の上部に、トラフホソバネカミキリがいまして、採り手がネットをあてがい、取り込もうとしましたが、丸い幹に丸いネット、どう考えても相性悪過ぎなのであります。 『ぽとっ』 トラフホソバネが下生えの葉を叩き、その葉裏に落ちて行くのが撮り手にもはっきり見えました。 届く範囲の下生えを掬い、覗き込んでみましたが、後の祭り。 こうなりゃ、ここで粘るぞ!蕎麦の話しは無し、店じまいの時間なんて構ってられません。(実はもう一つ別フィールドの下見も予定していたのですが、そちらは第一トラフホソバネ発見時でほぼキャンセル決定。いずれ行ってみたいところではあります。) 付近にはアカメガシワがかなりあって、中にはいかにも彼らがやって来そうなものもあるのです。粘ることしばし、残念ながら3頭目の虎を目にすることはできませんでした。
以下、帰路で得られたカミキリです。 |
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ヒトオビアラゲカミキリ くっきりとしたコントラストがなかなかいけます。 |
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クモガタケシカミキリ 当初“ケシカミキリ”としてしまいました。お詫びして訂正させていただきます。びおすけさま、ご連絡ありがとうございました<(_ _)> まさに芥子(けし)の実サイズですね。 撮り手には老眼鏡を付けてもクモガタケシカミキリなのかケシカミキリなのか、判りません。ただ何となく、材からの羽脱を沢山見せられてきた感じとちょっと違うかも、と思える程度でした。 帰路では他にも少しカミキリが得られ、じゅうぶん幸せだよね!ということでネットを畳み、現場を後にしました。 |
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山間の蕎麦は次の楽しみに取っておき、PAで水分とカロリーを補給し、雲が厚くなっていそうな県南から柏まで、渋滞も無くサクッと戻ったのでした。 |
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