蜘蛛の巣はノーサンキューでも、紋なカミキリなら 2008年7月20日 茨城県 “ネキでダリスな日曜日”は叶いませんでしたが 夏晴れ気分で、クモノスモンサビカミキリに初遭遇でした。 |
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突然ですが、北に向かっております。我が家で方角だけを言うときには、『茨城県の』が内包されているのであります。 昨日は埼玉でクビアカトラやラミーが出てくれたので、この週末はもう思い残すことも無い訳ですが、『運が良ければネキでダリスな日曜日@茨城県』なんてスケベゴコロもありまして・・・ 前回から一週間、ネズミモチの花も黄ばんでます。 空がどんよりしているのが気になりますが、 |
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水戸を過ぎてしまえば、すいすいすーだららったと空いて来る常磐道ですが、あららぁあ〜!山は雨でしょうか? 抜けてしまうことを祈りつつ、エコ運転で北進を続けます。 ガソリンの高騰も影響しているのか、いつもの夏に比べると渋滞も少なくなっているように感じるのですが、みなさまのところではいかがでしょうか? |
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ヤバシビッチ!(おぢさんはこんな感じです、悪しからず) 山に入るとますます怪しい雰囲気で、雨もぽつりぽつりと落ちて来るのですが、前方には薄日の差しているところも見えます。 ここはコンピューティングの定番、『無視して処理を続行する』方式を採用して、付近をチラ見しながら進みます。 |
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道路の待避所に置かれていた伐採木です。 主成分は桑のように見えます。 JAS法的に言うと、原材料名:桑、広葉樹(遺伝子組換えでない)、空き缶、燃えるゴミ、昆虫、菌類。 車の往来もあるし条件も良くないので、こういった場所ではアワフキとか寄生蜂ばかりでカミキリがいることは少ないのですが・・・ |
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トガリシロオビサビカミキリ 本日の第1カミキリムシ発見であります!しかも大好物(普通種ですけどネ)。 他にナカジロ、アトジロの定番サビコンビも歩いてました。 この天気ならもうこれで帰っても良いかも、などと言いつつも・・・ とにかく目的の山に向かいます。 |
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山の入口付近に材置き場がありました。 薪置き場のようです。いろいろな材があります。 何かいるでしょう・・・ |
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ウスイロトラカミキリ おっ!夏の山間材の常連さんです。 わらわらと歩いています。すばしこいカミキリですが、昨日クビアカトラのエイトマン級の超スピードを見ているので、驚くほどではありません。 『あれ!茨城県初採集?』、『あ、そう言えばそうかも』 県内初見だったとは、カミキリは奥が深いというか、我が家の底の浅さというか。。。巨大個体もいたので、メデタクお持ち帰りです。 |
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ヤツメカミキリ(採集は帰路でした) 今年はやっと出逢うことができました。県南にも普通にいるのですが、サクラの整理がないと幹や葉を探して採るのは厄介なカミキリムシです。 身近なトホシカミキリ族で、大柄でシックな色がとても魅力的です。 |
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さて、山の休憩所です。 ベンチ有り、屋根的なものも有り、でもトイレ無し、枯れ草に燃え移りそうな灰皿あり・・・もともと売店でもあったのか、建てるつもりだったのか、そんな感じのところであります。 雨は落ちてこないものの、相変わらず太陽は隠れたままです。 ともかく車を置き、付近を散策してみます。 |
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ブナの立枯れが! 手前のブチ模様はナツツバキのようです。 日が差していれば良い具合のネキでダリスな環境になりそうですが・・・ 下から見上げると、曇っているのに逆光の眩しさだけがあって、案外幹の様子が確認し難いものだということも判りました。 採り手は若い眼で睨めっこしていましたが、ハチさんたちが少し、それに撮り手にはキマワリがやって来ただけでありました。
『また来ます!』 |
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付近の粗朶(そだ)や落ち枝を覗き、姿が見えないようなら叩きます。よほど時間の無い限りこれが基本。見て、掬う。見て、叩く。 さて、そっと網を入れ・・・る隙間が見当たらない!!入れ辛いんですってば、この枝振り。 慣れた方なら良く見て、広く叩けそうなところか、カミキリが潜む確率の高そうなところを選択するはずですが、撮り手には判りましぇん!なので、比較的先端付近で広くカバーでき、逆側に影響の少なそうなところに狙いを定め ぴしっ |
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クモノスモンサビカミキリ 落ちたぁ! 『なんだか判らないけど、初採集みたい!早く来てくでぇええええ』カミキリかどうかは識別できるものの、特に薄暗い林内では色の識別も怪しく、ましてや模様の解像ができない撮り手。確認の度に採り手を呼びます。 『何騒いでんだ?うちのおやぢは』と思っていたかどうか、押っ取り刀でやってきてくれた採り手でしたが、ひと目見るなり |
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やた、クモノスモンだぁ |
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あれ、君の方が興奮してるのね・・・というわけで、他に間違いようの無い見事なカミキリに初遭遇を果たしたのでした。 またも老眼の悲哀、間接的に知った撮り手の感動は少し薄まった訳ですが、それでも嬉しい初遭遇でした。何せ久し振りに撮り手が“採った”初カミキリですからね。いひひ。 追加を狙い、時間差攻撃で何度か叩きに来ましたが、その度に何頭ものキッコウモンケシカミキリが落ちてきました。悪くは無いんですけどねぇ。 |
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クワサビカミキリ ヒメナガサビやクリサビに似ていますが、触角の付け根付近の複眼がしっかり連続して繋がっていること、エリトラ(翅鞘)の肩の部分に“瘤”がないことなどで見分けています。 近似近縁のタコサビカミキリは、東北地方の住人です。 違ってたらこそぉり教えてください^_^; |
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枯れていますが、大きな葉をたくさん付けたままの、比較的新しいブナと思われる伐採木。 葉が生長してからの伐採、または整備作業と思われ、道を挟んだ山側の斜面には、太く折れ残った根元部分がありまして、その直ぐ上から道に折れたか、折れかかったために処理されたようです。 そっと叩き網を挿し入れるだけで、その振動を感じるのか、トゲバカミキリがわらわらと落ちてきます。 |
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トゲバカミキリ 近づくと枝を動き出し、振動を感じると直ぐに落ちてしまいます。かなりの数がいました。 |
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ニンフホソハナカミキリ 樹種不明の粗朶(そだ)を叩いたところ、なぜか落ちてきました。産卵行動?天気が悪いので避難? 現場では動きが激しく、さすがに眼の良い採り手も触角の先端の色分け部分の節数を数えられず、取りあえずケースに入れ、落ち着いてからニンフであることを確認しました。 少しの時間ですが、『もしかしたらタテスジかも』という期待感を味わうことができたという次第です。 |
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樹種不明立枯れ ブナでは無いらしいし、樹皮の様子から楢類でもなさそうです。 葉があっても判らにゃいのに。。。 経験と勉強を積まねば_| ̄|○ 当然見えない、叩けない、なので、ネットを伸ばして掬います。 |
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シロオビチビカミキリ 何気にシックな良いカミキリです。 |
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チャボヒゲナガカミキリ 珍しい種類ではありませんが、案外人気者らしく、我が家でもお気に入り。色合いと紋のバランスがカミキリ心をくすぐってくれるのであります。 |
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ゴマダラモモブトカミキリ 山を下りはじめたところ、斜面にあった切株についていました。 ここでは場所的に迷うことはありませんが、外観だけではミヤマモモブトカミキリと良く似ているそうです。♀は腹端が尖っていることで見分けられると言われますが、写真は産卵管が出ているようです。それでも良く見ると丸く尖った腹端らしきが写っているような・・・ |
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ゴマダラモモブトカミキリ こちらが♂ということになり、両種混生地帯で、♂を採った時には、さぞかし同定が厄介なことでしょうが、そんな厄介事ならむしろ幸せかも知れません。腿の膨らみも両種を並べてみたことが無いので、我が家では見分けられるかどうか、、、自信はありません(きっぱり!?)。 |
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なかなか良いカミキリが出てくれたのですが、山を下りはじめた頃はガソリンがほぼエンプティでした。高速のSAまではとても持ちそうもありません。 『連休で休みだったらまぢヤバイぞぉ!』 国道を下って町に出ると案外簡単に農協経営らしいSSがあり、入庫。満タンにして走り出しましたが、予想以上に道はがらがら、ゆったりとした下りということもあって、燃費はカタログ値を超えました。(ピークは27キロオーバー!!) |
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高速に入ってもスイスイでして、PAもご覧の通り寂しいほどのがらんがらん。その後渋滞も無く、アクセル開度は常に一定。自宅に着いた時も燃費計は22キロをキープしており、優等生なのでありました。
さて、次はそろそろナイトゲーム?桑のあのカミキリも出てくるだろうし。確かに夏はやって来たのであります。 |
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