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今年最後の『虫いません』シリーズ

2008年12月27〜28日 新ジャンル『Evidence Hunting』誕生かも

年末のご近所をカミキリムシの痕跡を探して歩いてみました

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ヒメリンゴ

あまりの酸っぱさのためか、鳥を寄せ付けなかった我が家のヒメリンゴの実も完熟したようです。

年末になってようやく鳥が啄(つい)ばんだ痕が見られるようになってきました。

今年最後の記録もカミキリの出番がありませんが、勝手に『エビデンス・ハンティング』と名付け、カミキリ棲息の証拠探しです。

薔薇

傍(かたわ)らには奥さんが大事にしている四季咲きの薔薇が咲いています。

では、いざ!って程のもんでもないですが、我が家的に茨城県未体験のアオカミキリ、チャイロヒゲビロウドカミキリなどの痕跡を探しに出掛けます。

ユズリハ

某所で見つけたユズリハです。

冬の落葉樹は特徴付ける葉や花、実(付けたままのものもあります)が無いので、樹種特定が一層難しいのですが、逆に常緑樹は目立ちますので、すぐに見つかります。

ユズリハ

見上げております。

まず全体の様子で勢いを見、近づいて幹の食害痕や脱出口、見上げて枯れや、後食痕をチェックしていく手順になります。

ユズリハ

見事にやられておりますね。

ユズリハ

ちょっと丸過ぎない!?

こんな脱出口で良いんでしょうか?

ユズリハ

程度の差はあるものの、こんな幹を持つユズリハがあちこちにあることが確認できました。

ユズリハ

実際に採集されていらっしゃる方にもご覧いただき、アドバイスを頂戴しましたが、このような見事な丸い穴も特徴とのこと。

可能性は高そうで、シーズンに期待してしまいます。うひひひ(^_^メ)

カエデ

一方こちらはカエデです。

集中度は場所によって違いますが、ユズリハよりは広く痕跡が見られ、間違いなくいるだろうと思えるポイントを何ヶ所か見つけることができました。

一番下の大きな裂け目のようになっている穴が脱出口を思われるもので、上部には少し時間経過しているようですが、脱糞口痕らしい穴も並んでいます。

カエデ

これはかなり新しいようです。

こんな痕跡があちこちに見られましたので、是非シーズン中の出逢いを果たしたいところです。

蝉の抜け殻

場所は替って・・・

実は冬シャクの乱舞が見られた公園なのですが、撮り手はぱらぱらと翔んでいるところしか確認できていませんので、この冬こそはと通っているところです。

残念ながら冬シャクは影も無く、園内の杉には夏の思い出、セミの抜け殻が並んでいました。

桜

・・・じゃ、恒例サクラウォッチング(リンゴカミキリの幼虫探し)にスイッチです。

こんなふうに太い横枝から立ち上がっている、タバコやボールペンくらいの太さの枝が見易いのですが、蘖(ひこばえ)があれば、首も疲れず持ち帰るのもラクチンです。

桜の枝

先に栓がされていますので、間違いなく潜んでいますが、カット面が斜めというには微妙です。

桜の枝

これは間違いなく終令幼虫が潜んでいるでしょう。

リンゴカミキリ幼虫入りの桜枝

そんなわけで、他にここでは2本採取させてもらい、お持ち帰り3本となりました。

 

・・・まったく虫の姿が見えなかったかというと

そうでもありませんで、・・・・

 

見つけられたのはほんの数種だけでしたが、

目を楽しませてくれましたので、

以下にご紹介させていただきます。

ツヤアオカメムシ

ツヤアオカメムシ

陽の傾いた公園の杉に、小さいながらも鮮やかな緑のワンポイントが印象的でした。

シモフリトゲエダシャク

シモフリトゲエダシャク(多分)

エダシャクの仲間だろうとは思いましたが、止まり方の印象が冬シャク的ではありませんでした。

“みんなで作る日本産蛾類図鑑”さんによると、冬尺蛾の仲間だそうで、同図鑑ページの♀は確かに無翅でした。

狙った公園とは別の場所でしたが、冬の蛾は嬉しいです。

ヒメオビオオキノコ

ヒメオビオオキノコ(多分)

シデ類と思われる立枯れの樹皮下で越冬していました。小さな蜘蛛がわらわらと出て来て、一瞬腰が引けましたが、蜘蛛の集団に交じって美しい模様が際立っています。


ミヤマオビオオキノコという近似種がいますが、棲息場所(近所=平地の公園)などから、ヒメオビオオキノコとさせていただきました。

 

・・・そんなわけで、今年もいよいよあと数時間、

 

みなさまのフィールドワークの益々の充実を

お祈りしつつ、2008年最後の更新とさせていただきます。

 

最後を締め括れるような内容ではありませんが、

お付き合いいただき本当にありがとうございました。

 

引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

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