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コケティシュに苔むしり!? 見事にコケました_| ̄|○

2009年12月26日 茨城県:何年ぶり?久し振りの河川敷でした。

苔の下に潜む美麗歩行虫が見つかるかも、と出掛けたものの、そ・も・そ・も・

2009年12月26日の採集記バナー

今年はもう出掛けることはないかなぁあ・・・と思っていたのですが、

Kさんが、苔の下から超美麗歩行虫を[発掘]されているのを拝見してしまったのです。

地域は全然違いますが、雰囲気はありそうじゃん!?

よっしゃ!苔むしるぞぉ!?・・・

かくして[コケティシュな苔むしり作戦]は発動されたのであります。

河川敷に駐車

ほぼ2年のご無沙汰?

県境の河川敷です。

今日は繁茂する苔をむしり倒します。つくば野ではクロナガオサムシくらいしか出ませんが、オサムシ密度の高い河川敷なら・・・

苔むしりの良いところは、原状復帰が簡単なことで、むしった傍(そば)から簡単に被せ直すことができます。

朽ち木

朽ち木を開くとヒメマイマイカブリやアカガネオサムシなど楽しい虫が出てくるところですが、本日は封印(するつもり)して、地域的に無理だろうけれど、探さずにいないと決めるのは、我が家的憲法64条[探さなければボーズにもなれない]に反しますので、宝くじよりも低いだろう確率にも淡い期待を抱いて苔ゾーンを・・・

草地

歩いてみると・・

・・・あれれ!?

無いんです。肝心の苔が!?

遠目では苔生していそうな湿地も、ご覧の通りです。畑の脇のように適度に湿度が保たれ、下草も排除されるようなところが苔には楽園のようです。

林内

・・で、湿地から里山方面に入り込んで、日陰や仕事道の脇を探してみることにしましたが、やっぱり見つかりません。登り詰めると畑になっていて、そこにはあるんですが、畑をむしるのは憚(はばか)られますし、オーナーの姿を探すまでも無く撤退。

倒木

足元を見ながら小路を歩きますが・・・湿地も近いので、脇にはこんな朽ち木が[おいでおいで]をしているのです。

ここはぐぐっと我慢・・・・

できずに(^.^)覗いてみます。

アカガネオサムシ

お久し振りのアカガネオサムシ@利根川です。

色味的には最も地味な部類に属する虫ですが、エリトラ(elytra:翅鞘)好きには抵抗を許し難い魅力があります。[やっぱアカガネは好いにゃあ]親子して納得。ジェネレーションギャップでお困りのみなさまにはお薦めの虫であります。

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ウスバカミキリ幼虫

こちらは、ウスバカミキリの幼虫です。

ヤナギにはサリシンと言われる薬効成分が含まれていて(サリチル酸はヤナギ:Salixから得られたので名前がつけられたとか)が含まれていて、倒木になっても容易に腐朽しません。生き物たちが利用することによって、効率良く土に還る仕組みになのでしょう。

僅かな苔

ときどき猫の額ほどの苔が足元に見つかりますが、なかなか虫は出てきません。

オオスナハラゴミムシ

それでも、坑洞が見つかり掘り進めること5センチほどでしたでしょうか。

オオスナハラゴミムシ(同定では某snsでお世話になりました<(_ _)>)が出てきました。20ミリを超える大型種で、前胸背がいわゆるゴミムシとは違う雰囲気を持っていてなかなかグッドルッキングであります。

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小崖

道脇の小崖の下には少し苔がついてはいますが、厚みがなく乾燥も進んでいて、大型の歩行虫が潜むような雰囲気もありません。

小崖を削る

むしろ苔のない小崖の方がしっとりとしていまして、少し削ってみると(あれ!?当初の作戦とちゃうぞ!???)

ルイスオオゴミムシ

ルイスオオゴミムシやら・・・

アオオサムシ

アオオサムシやら・・・・

いつもの虫たちの顔が覗けました。

他にはスジアオゴミムシもお尻を向けて出てきました。

小崖の越冬窩(か)の中で外を向いている種とお尻を向けている種がいますが、[尻隠し亜科]とか[頭隠し亜科]とかで分類してみるのも面白いかも??

しばらく苔探しましたが、この付近では畑を暴くという愚挙以外に

初志貫徹は無理と判断して、急遽作戦変更です。

 

え!?薄薄感付いてた?・・ゴモットモ様です_| ̄|○

 

優柔不断?臨機応変!?

やはり生き物相手なので、[臨機応変]、[君子豹変]

・・・と都合よく解釈するのであります<(_ _)>

朽ち木遊び

てなわけで、朽ち木で少し遊ばせていただくことになりました。

腐朽度の高い湿った朽ち木を覗くには、鉈は無用ですが、長靴で蹴っては中に潜む虫まで潰してしまいますので、土牛ハンマー(ブロックや瓦の加工用らしく、歯幅は3センチ程です)で、少しずつ捲(めく)ります。

ヒメマイマイカブリ

ヒメマイマイカブリ

定番の大型歩行虫です。今日は持ち帰らないつもりでしたが、いざ目の前に大型の美麗甲虫が出現すると、気持ちが揺らぎます。ということで、2頭ほどいただきました。

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オオマルガタゴミムシ

オオマルガタゴミムシ(多分)

前胸背の縦横比や前部、後部の“粒々”の形、後肢ふ節の長さ比などから判断しました。艶がありましたので、多分♂だと思います。

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オオマルガタゴミムシ

こちらは、艶が無いのでオオマルガタゴミムシの♀と思っています。

コカブト

コカブト

前胸背の凹みなどから見ると♂なんですが、[角]は横から見ても非常に小さいです。個体差でしょうか?

 

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白状しますと、万が一のセアカオサムシ(まさかねぇ〜(∩_∩)ゞ)・・・とか、

いることは間違いないエゾカタビロオサムシを心の隅に描いていたのですが、

最後はいつも通り?“朽ち木と戯れる”構図となってしまいました。

前回訪れてからまる2年以上は経っているのに、

今も草地を均(なら)す重機が埃を舞わせていました。

そのためとは思えませんが、乾燥は進んでいる印象です。

それでも、単に久し振りというだけではない、

ある種の懐かしい安堵感に包まれた散歩が楽しめたのでした。

ヒメマイマイカブリやアカガネオサムシが[普通種]として広範に存在し、

それにアオオサムシの“三種の神器”が楽しめるところです。

このまま衰退することなく、残り続けて欲しいと思う年の瀬でありました。

 

我が家的といえばあまりに我が家的な、2009年最後のフィールドではありました。

そんなこんなで、2010年もよろしくお願いいたします<(_ _)>

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