KEI's昆虫採集記:採集記録バナー

新ポイント散策:小物でも狙った場所で狙って得られば一入(ひとしお)です

2010年06月05日 茨城県:偶然を必然にするために

ヒメリンゴカミキリを探しに出掛けてきました。まだまだ未開の地だらけです。

2010年06月05日の採集記バナー

KEIZIの新ポイントガイド・・・その壱@水無月の巻

*水無月:旧暦6月のことですが、水が無い月ではありません。[無]は[な]、[の]の意味で、“水の月”ということになるのであります。同様に神無月も神様がどこかに集まってしまうので、そこらから居なくなる(そんな“殺生”な神様がいるとも思えませんよね)という話しが言われていますが、神の月と解釈すれば幸せってもんです。。さてみなさんはどう解釈されますか?

閑話休題

本日は遠征してい林道や土場探索も考えたのですが、天気がちょびっと怪しいこともあって、KEIZIが単独で見つけてきた“ご当地”ポイントをガイドしてもらうことになりました。手始めはいつものお山よりちょびっと先の山間(やまあい)の道です。先月22日に飛翔中のヒメリンゴカミキリを確保したところだそうで、できれば後食に来ているところを確保してみたいものです。

ヒメリンゴカミキリの標本
 

ヒメリンゴカミキリの標本

> 拡大画像 

上翅は灰色がかっていて、側面に走る黒色帯は不明瞭か見られません。また腹端部は4節と接する部分はオレンジ色で、種によって、また雌雄特有の形をした溝があります。

去る5月22日KEIZIから電話が入りました。
『○○でヒメリンゴ採ったけど・・・』
『えっ!もしかして初じゃん』
『図鑑(私が赴任先に持ち込んでいます)が無いので、絶対じゃないけどまず間違いない。面白いポイントを見つけたので、今度案内するよ。傾斜は緩いし歩きやすいからオトーサンでもだいじょぶだよ。』
『是非是非!( ̄0 ̄)ゞ』

山麓のコンビニ
 

そんなこんなでやって参りました。

KEIZIが最近よく寄るという、山麓のコンビニ(他に無いんですけどね)でカロリーと水分の補給です。山が綺麗に望めますが、今日はこの山はスルーして先に向かいます。

新ポイントの入り口
 

[新しい世界]への扉?

走ることしばし・・・やってきました新ポイント。

 

KEIZIによると、樹種が多く、歩きやすい道が続いているということです。私にとって有り難いのは[傾斜は緩(ゆる)いよ]の一言でした

ツクバクロオサムシ
 

ツクバクロオサムシ

歩き出してすぐに顔を見せたのはツクバクロオサムシ(分布的に多分)でした。その後何頭か道を歩き回る姿を見掛けました。色替わりなら確保するところですが、カミキリスイッチが入った季節は写真が撮れれば満足です。

路傍のお地蔵さま
 

路傍のお地蔵さま

少し歩くと路傍にお地蔵さんがちょこんと涼しげな顔をして佇んでいます。

[良いムシに逢えますように]とお門違いのお願いをして、ペットボトルで喉を潤したらまた歩き出します。

先を行くKEIZI
 

傾斜が緩いといっても、斜面は斜面です。あちこち枝先、葉先、そして花があれば花を掬いながらもKEIZIはすたすたと先を歩んでいきます。

日が差しているとはいっても、昨夜は強い雷雨でした。道には水が強く流れたであろうことを示す朽ちた落ち葉の筋が幾通りも走っていて、日陰はまだしっかり濡れています。

栗の花はまだこれから
 

里ではすでに開いているものも見掛けましたが、山の栗の花はまだこれからです。

ヤマウルシ(多分)
 

ヤマウルシ(多分)の葉を掬います。

[カブレるかも知れないから注意ね]

[ウルシはだいじょぶみたい、去年山仕事手伝ったときにウルシを触ったけどダイジョブだったし]

プロに交じってのことなので、間違いなさそうですが、無理して触ることもないですけどね。
遺伝?実は私も小さい頃ウルシの枝を竃(かまど)持ち帰って、田舎の叔父貴に叱られた記憶があります。

ともあれ、収穫なし。。。

ヌルデ
 

ヌルデの葉を掬います。

後食痕は見えなかったのですが、一応。

やはりまだヨツキボシカミキリはいません。

枝先はしっかり濡れていて、ネットがどんどん重くなります。

咲き残っているコゴメウツギ
 

咲き残っているコゴメウツギがちらほら見られます。

これもまだ濡れています。

フタオビヒメハナカミキリやチャイロヒメハナカミキリはしっかりついていますが、他のカミキリムシが出てくれません。

イチモンジカメノコハムシ
 

イチモンジカメノコハムシ

> 拡大画像 

少ないながらもリョウブもあって、その葉にイチモンジカメノコハムシがいました。

画面上は自然光で撮っています。このときはまだ警戒モードではなかったようで、上翅が葉の上に少し浮いているのがお判りになると思います。

下はピントを稼ぎたくてストロボを焚いたのですが、警戒モードになっていて、上翅の裾がぴたりと葉の表面に密着しています。

ヤブデマリの花‘
 

案外集虫力の高いヤブデマリの花がそこここにありますが、入るのはチャイロヒメハナとフタオビヒメハナ。

ここまで、ぱっとしませんが条件と季節が整えば面白そうな道であることは間違いなさそうですね。

途中ヒメリンゴカミキリの飛翔する影でもないかと、頭上を見上げながら歩いているのですが、翅の堅い虫はハムシばかりです。

カミキリムシの後食痕
 

そこうしているうちに、見つかりはじめたのが、こんな後食痕です。

この太くて強い葉脈の葉は、明らかにクスノキ系のものです。葉をちぎってみると芳香もあります。

[この間は後食痕が無かった]そうですので、これは期待できそうです。

後はもう少し枝先が乾いてくれるのを待つか、乾いている場所を探すことです。

そうこうしていると・・・・

アブラチャン
 

赤い葉柄に、こんな感じの若い実。

[こりゃアブラチャンに間違いないじゃん!]

後食痕もちらほら見え出しているし、俄然探索パワーが湧いてきます。

 

[いたぁ!]

(珍しいことに、私の発声)

[どこ!?]

[そこの葉裏!見える?]

[うん、間違いない]

[生態写真にトライさせてちょ! で、もし落ちたり翔んだら、掬っちゃってね]

バタバタしてカメラを構えようとすると

・・・ふにゃん、、、と落ちるようにして、KEIZIのネットに付いたのでした。

 

ヒメリンゴカミキリ
 

ヒメリンゴカミキリ

そんなわけで、KEIZIは初見ではありませんが、私には感激の初対面であります。

土地勘のあるところでは、季節や天候毎に、今までにない発見を求めて歩くことも多いのですが、今回はこのカミキリがホストにいるところを狙っていましたので、気分爽快、三矢サイダーのようにジンと来るのであります。

アブラチャン
 

生態写真は叶いませんでしたが、ここにヒメリンゴカミキリがいました。

トホシカミキリの仲間では大型で、いれば簡単に見つかりそうです。なんたって、私に見つかったのですから。

ヒメリンゴカミキリ
 

ヒメリンゴカミキリ室内撮影

> 拡大画像 

本日は2頭確保でき、大満足でした。

良い汗もかいたし、狙い通りの成果も出たので、るんるん気分で下ります。

フタオビヒメハナカミキリ
 

フタオビヒメハナカミキリ

> 拡大画像 

数は出ますが、なかなか目の前に来ることはないので、生態写真は初めてです。

現場ではミヤマガマズミかコバノガマズミあたりかと思ったのですが、樹種が良く判りません。

葉の印象。蕾の出方などからコアジサイではないかなと思っていますが、もう少し調べてみます。

シナノクロフカミキリ
 

シナノクロフカミキリ
(我が家的?初斑紋変異)

> 拡大画像 

サルナシの蔓が絡んでいるところがあったので、掬って見たところ、見たことのないカミキリムシがネットに入りまして、頭の中でぐるぐるといろいろなカミキリムシが回った(嘘嘘、私にはトゲバの変異?アラゲ系?位で一杯一杯です)のはKEIZIの大脳皮質で、がん見すること数秒。

[シナノクロフの変異じゃん!?変異が激しい種類だっていうから]

写真を撮って私にも納得できました。

ホームセンター
 

そんなこんなでネットを畳み、お地蔵さんに細やかなお礼をして、明日に備えてつくば野のホームセンターへ。

5月4日に浅瀬を歩いたとき浸水が確認されたため、KEIZIの長靴を購入します。効果のほどはともかく、底に鉄板が仕込まれていて踏み抜き防止になっているものが見つかりました。1980円也。

ついでにファーストキッチンのベーコンエッグバーガーをぱくり!

んまいにゃあ〜相変わらず。

 

KEI's昆虫採集記:ホームページへ

inserted by FC2 system