KEI's昆虫採集記:採集記録バナー

新ポイント散策:信じて狙えば・・・幸せってもんです

2010年06月06日 茨城県:冬だけじゃなかった河川敷

思っていたより遥かに近くで、オニグルミノキモンカミキリを堪能することができました。

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KEIZIの新ポイントガイド・・・その弐@水無月の巻

*水無月:旧暦6月のことですが・・・・・昨日と同じなので割愛<(_ _)>

昨日KEIZIが見つけてきた山のポイントをガイドしてもらいましたが、今日は平地それも町のすぐ裏です。冬は“ご近所ハンター”が鉄砲持って歩き回り、バードウォッチャーと妙な形で同居している面白いところで、私たちにとってはオサムシ採集で何度か訪れたところでもあります。KEIZIは季節に来たら面白そうだと思っていたらしいのですが、私はヤナギとヤマトチビコバネ(+薮蚊の襲来)の関連付けが精一杯でした。

オニグルミノキモンカミキリ
 

オニグルミノキモンカミキリ

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6月3日、KEIZIから電話が入りました。

『オニグルミノキモンが湧いてたヨ!』
『ええっ!?(どこまで行ったんだろ)』
『××にクルミが沢山あって、そこに湧いてた。持っていったケースが一杯になったので10頭だけ(!??)採ったけど』

大胆不敵な発言であります。これまで奥秩父でやっと一頭確保していた美しいカミキリムシがそんな近くで浴びられるとは・・・

オニグルミノキモンカミキリは奥秩父でオニグルミを掬って得ただけで、
山のカミキリだと考えていましたし、茨城県だと、県中央以北でなければ
得られないと思っていた私にとって、晴天の霹靂な事態発生であります。

『環境的にいてもおかしくないので以前から狙っていた』

そうで、オニグルミ、クワ、ハンノキが沢山あるとのこと。

『今度行ってみる?』

『も・ち・り・ん! 頼むよぉ〜』

てなやりとりがあったのであります。

実は本日のオニグルミチェック、私には秘めたる?思いがありまして、
何を隠そう[オニグルミ:鬼胡桃]は
私の誕生樹でして、力も入るって
もんです。ちなみにKEIZIは[ツガ:栂]です。

ご参考 → 誕生樹のページ
 

県境の橋
 

県境の河を渡ります。

この橋はついこの間まで有料でしたが、無料開放されました。

子供たちが生まれたころからかれこれ20年以上この橋を渡って茨城県に通いました。

無料化も時の流れを感じますが、KEIZIの運転でこの橋を渡るということの方が感慨深いことです。

そして今や彼の方が名実ともにサイトハンティングが巧いのも間違いなく、往路はKEIZI、復路が私というパタンが定着しつつあります。

河川敷に降り立つ
 

住宅街を抜けると、僅かの時間で河川敷に降り立つことができます。

[こんな道よく見つけたねぇ]

[自転車で何度か来たし]

(オイラには無理だにゃあ(;´▽`A``)

[帰りはバテたけどね]

(そりゃ当然でしょ!?)

ともあれKEIZIの案内で付近を確認します。

鬼胡桃(オニグルミ)
 

立派なオニグルミの樹が沢山あります。

(冬に来た時には、桑とヤナギ、それにクヌギくらいしか意識が無かったなぁ)

ハンノキが多い
 

さらに驚いたのは、立派なハンノキが多いことです。

ハンノキは水に強いため、かつては水田の回りに収穫した稲を乾したりするために植えられていたらしく、少なくとも関東平野の田園風景には欠かせないものでした。

クワの多さ
 

そして最も驚いたのはクワの多さです。

これで、トラフカミキリに苦労するとも思えないのですが、昨年KEIZIは散々苦労して1頭だけ確保しています。

[キボシカミキリも少ないのが気になる]

と言ってますが、歩行虫は多産するのが確認できていますから農薬散布などの影響では無いだろうと信じたいところです。

*老熟したクワの葉は切れ込みが無くなりおむすび型になってきます。

どのくらい多いかというと・・・

足元は桑の実でいっぱい
 

ご覧の通りです。

この付近、踏まずには道を歩けないくらいクワの実が落ちています。

 

これで、ジャムでも作って、胡桃を集めれば、食料には困らないんじゃないだろか・・・そんなことを考えたのは自宅に戻ってからでした。

なぜって、目的のカミキリムシにはすぐに出逢えたからです。うひひ。

オニグルミを掬う
 

手近にあった日当たりの良いオニグルミを掬います。

軽く仰ぎ見た感じでは後食痕もカミキリムシらしい影も見つかりませんでしたが、ルック&スウィープしていきます。

オオアオゾウムシ
 

オオアオゾウムシ

[この前来た時にも多かった]そうですが

大型で美しい色合いのゾウムシです。

先日貰った個体 > こちら 

奥秩父では日向の明るい葉にいた印象があったのですが、どうも陽射しの強いところより直射の無い部分の方が良いみたいです。幸いオニグルミは沢山あるので、異る条件で絞り込むのも簡単です。直射を受けず、かといって完全な日陰にもならない部分を見上げてみると・・・

オニグルミノキモンカミキリの後食痕
 

むっひっひぃ〜ヾ(▽^)ゞ

アメダスではありません。オニグルミノキモンカミキリの後食痕です。

確実な後食痕だけにを付けてみました。

こりゃいますよねぇ〜(∩_∩)

(問題は高さだな)〜 KEIZIによると[低いのもあるから生態写真撮れるよ、多分]〜ってことは、私次第ってこと?(そりゃ大問題かも)

オニグルミノキモンカミキリ
 

オニグルミノキモンカミキリ

私的お久しぶりです( ̄0 ̄)ゞ

粉コナな感じの黄色がたまりませんね。

セオリー通りそれなりの高さのある葉を掬って得られました。

引き続き探索を続けます。

オニグルミノキモンカミキリ
 

おっ、いたいた!

探索開始から15分くらいは経ったでしょうか。ついに目視発見できました。

しかしまだ高いなぁ。300mmクラスの接写レンズとかがあると撮れるかも知れません。

ま、たとえあったとしても私に手が出せる価格では無いでしょう。

となるともっと下にいるところを探さねば。

オニグルミノキモンカミキリ
 

い・いたぁ!

[わ]・[た]・[し]が
(ここは強く強く強調ヾ(▽^))第一発見者となった個体であります。

高いと見つけ難いですから、低くて見易いところばかり探すという流れでしたけど、まあ自分で無事見つけて一安心というところです。

それでもやや高かったので、KEIZIに複葉の先を少し引き下ろしてもらっての撮影でした。

> 拡大画像 

シャチホコガの幼虫
 

シャチホコガの幼虫

オニグルミのオマケは楽し過ぎる芋虫でした。

大人になっても虫を求めて山野を歩く人達は、総じて異形(個性的ということですね)の昆虫達には好意的です。ハムシの幼虫も個性的なのがいますが、鱗翅類(蝶や蛾)も負けてはいません。これはもう地球外生命的怪しさを持っているだけでなく、触られた時のリアクションも楽しませてくれます。

> 拡大画像 

ハンノキを探す
 

オニグルミを堪能できたので、次は限りなく低くても可能性を求めてハンノキのチェックをします。

オニグルミ、ハンノキ、クワの3種が勢力を争い、ところどころにエノキ、クヌギなどがあります。

ヤナギはもう少し別のより湿ったところに集中していますが、この辺り一帯で越冬歩行虫は確認できています。

ハンノキを掬う
 

ハンノキといえばハンノキハムシ、じゃなくハンノキカミキリですが、我が家ではまだ見た事がありません。

産地でどのように棲息しているのかも、知らないのに、棲息の可能性があるのか無いのか、判りもしないところで探索するのですから、酔狂といえばそれまで。

でも徳川埋蔵金よりは
確率高いですよぉ〜(∩_∩)ゞ

残念ながら痕跡も見つかりませんでしたが、別に諦める理由も見当たりません。近場の強み、折りにつけチェックし続けるつもりでいます。

最後にこの辺で見つかった虫をもう少しご紹介します。

アシナガオニゾウムシ
 

アシナガオニゾウムシ

[その他]と括るには勿体ない?名前と意匠を持つ大型のゾウムシです。

> 拡大画像 

アトモンサビカミキリ
 

アトモンサビカミキリ

私の趣味で確保してもらいました。

遠目ではアトジロサビに似ていますが、エリトラ(elytra:翅鞘)の浮き出しが好きなカミキリムシです。

> 拡大画像 

今日のフィールド
 

高速無しで自宅から30分圏内に楽しいフィールドがあることを再確認できました。

樹種からして、人の手による環境だったことは間違いありませんが、里山も同じことで、このような身近で豊かな環境があることに素直に感謝したいと思います。

 

     今年は5月4日の劇的な採集行(>こちら)で、

     すべての運を使い果たしたかも、と思っていましたので、我が家的独自開拓ポイント

     (といってもKEIZI単独ですけど何か?)で、新しい出逢いが出来たことは格別です。

     ポイントを積み重ね、線にし、面にしていけると良いのでありますが、欲張らずに

     定点化するポイントも絞ってみたいところです。

 

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