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茨城県初アオカミキリ!

2010年06月12日 茨城県。狙い通りアオカミキリ確認

植裁されたカエデからの発生ですが、多少とも脳ミソを働かせて辿りつければ、嬉しさも格別です。

2010年06月12日の採集記バナー

[茨城県でアオカミキリを]予てからの願いのひとつを実現するために、シーズンオフに何ヶ所かカエデの食害痕をチェックしていました。今回、採集はご法度の場所でしたが、確認だけでもと出掛けました。

公園や公共施設などにも多いカエデ類には、幼虫が忍んだまま植栽されるものもあって、身近に定住しているところもあるはずと睨んでいましたが、予想通り定着しているようでした。

駐車場
 

そんなわけで、本日は博物館の駐車場からスタートです。

野外展示場で確認しておいた、カエデの食害痕の主を確認するためにやって来ています。

駐車場に車を落ち着かせて歩き出すと、視界の中を赤い飛翔体が横切りました。慣れた手つきでKEIZIがひょいとキャッチ。

ベニカミキリ
 

ベニカミキリ

素手キャッチは、多くの虫屋さんがいつの間にか身につけるようで、(私はダメですが)KEIZIはこの方法で、シラホシキクスイカミキリなど乙なカミキリを確保しています。

サトキマダラヒカゲ
 

サトキマダラヒカゲ

ヤマキマダラヒカゲという近似近縁種の方は、★緑矢印の3紋が強く[くの字]に並ぶ。★赤矢印の眼状紋内の黒斑が明らかに大きい、という違いで見分けられるそうです。

鳥に啄かれたものか、翅の一部が大きく抉り取られていますが、眼状紋の幻惑効果?で生き延びたものでしょう。

ヒメヒゲナガカミキリ
 

ヒメヒゲナガカミキリ

池近くに数本あるオニグルミを覗いてみると、ヒメヒゲナガカミキリで混雑していました。

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もう少しカッチョイイ感じで撮れてると思ったんですけど、そうは行きませんでした。

ヒメヒゲナガカミキリ
 

ヒメヒゲナガカミキリ

こちらは正攻法?でぱちり。

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キスジトラカミキリ
 

キスジトラカミキリ

すっかりご近所のお馴染みさんになりましたが、美しいトラカミキリです。

同じオニグルミに産卵していました。それなりに古い材にも産卵に来るので、オニグルミの衰弱が進んでいることを窺(うかが)い知ることができます。

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オニグルミノキモンカミキリ
 

オニグルミノキモンカミキリ

オニグルミをぐぐっと見上げることしばし、やはりいました。距離があったので背伸びをするようにして、スピードライトも思い切り炊いてみましたが、私にはこれが限界です。

産卵マーク
 

シロスジカミキリの産卵マーク

近くの柳を確認してみたところ、シロスジカミキリ(間違いないと思います)の仕事跡が見つかりました。削り込みが浅い印象がありますので、すべて産卵しているかどうかは判りません。

さて、怪しいカエデに戻ると、KEIZIはすでにチェックを再開していました。

カエデ
 

冬のカエデの様子(1)

普段は見られない枝や幹の様子をチェックするには冬が便利です。で、冬の間に確認し、証拠写真をとっておいたのが以下2葉です。

幹から分かれた直ぐかその次の分岐くらいの、比較的太い枝を中心に脱糞口や羽脱口が確認できていました。

カエデ
 

冬のカエデの様子(2)

羽脱口はゴマダラカミキリなどと違い、形の崩れた縦または横長の裂け目状になります。

梢にやってくる個体を探していたのですが、ふと視線を足下にさげたところ・・・

な、な、なんと!

本命を見つけてしまったのです。

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アオカミキリ
 

アオカミキリ

遊歩道に落ちていました。

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やはりこのカミキリを見ると、持ち帰り欲求が沸いてきてしまいます。ダメなことは99%承知ですけど、訪ねてみて損はないでしょう。

博物館
 

管理棟にお邪魔してみました。

確認だけと心を決めていたものの、やはり輝く大型のカミキリムシを目の前にすると、持ち帰り欲求が頭をもたげてしまいます。受付嬢に、昆虫専門の学芸員の方がいらっしゃるかどうかお訪ねしたところ、お留守だそうで、事情を説明し一頭だけ持ち帰る許可をいただけるかどうか、判断できる方に連絡を取っていただきました。

やはり丁重にお願いしたからという理由だけで、方針を曲げる事はないだろうという予測通り[申し訳ありませんが、お持ち帰りいただけません]ということでした。

不躾なお願いに、終始笑顔で丁寧に対応していただき、ありがとうございました<(_ _)>

アオカミキリ
 

アオカミキリ

そんなわけで・・・

[今日の日はさようなら]の図です。

KEIZIの腕が居心地良かったのかどうか、こんなときに限ってなかなか翔び立とうとしてくれません。

> 拡大画像

[それなら]と飛翔する瞬間を撮ろうと構えると、準備できる前に翔び去る、という予想通りの結果となったのでした。

 

当然といえば当然、意外といえば意外ですが、広大な芝の広場と、舗装された遊歩道。

見学者が散策し、憩うところは奇麗に整備された中で、虫たちは定着していました。

ある意味、人手のたっぷり入った野外展示施設ですが、それ以上のことは多分しないので、

人にもある種の気軽で心地良いインターフェイスを残しながらも、

虫たちの棲み場所も残す配慮がされているように感じました。

アオカミキリについては、奥秩父に比較すれば圧倒的に数が少ないですが、

タイミングさえ合えば採れる場所があると確信できました。

 

すでに西の方では起こっているようですが、不用意な植栽を続けると、

[町のカミキリムシ]に変貌する可能性があります。

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