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アトジロサビカミキリ羽化の様子

 

2008年4月13日に日付が変わった頃のことです。

つくば野で拾ってきた(材採取は2月23日)落ち枝を手入れ中に

転がり落ちた蛹がいくつかありまして、

そのうちの一頭の羽化に立ち合うことができました。

里山から山地まで、ありふれたカミキリムシですが・・・

森の中

2008年2月23日

真冬のつくば野に落ち枝拾いに出掛けました。

冬の森は虫も人も賑わいはなく、閑散としていますが、ヤブカの攻撃もメマトイやクモの巣もありません。場所によっては膝近くまである深い落ち葉を踏みしめながら、落ち枝を探すのも風情があります。

この日はイヌザクラ(有り難いことに“名札”がついていました)とアカメガシワの落ち枝を少し貰って帰りました。

アトジロサビカミキリ羽化

材は室内保管すると黴を出してしまうこともあって、時々手入れをするのですが、その際幼虫や蛹が落ちることもあります。幼虫は彫刻刀などで枝を削り、慎重に戻しますが、蛹は枝を削った蛹室擬(もどき)に納めて観察することが多いです。

4月13日午前2時40分
羽化の兆候が見られました。それまで、閉じていた脚部を開くような動きをして、殻を破りはじめるようです。
写真ではすでに頭部やふ節の一部も出ています。

この後蛹化後に良く見られる味噌すり運動が始まりますが、このとき脚部や頭部、触角の殻が剥がれていくようです。

アトジロサビカミキリ羽化

2時55分

その後腹部を反らせたり戻したりの前後運動が大きくなり、本格的な羽化が始まったようです。

アトジロサビカミキリ羽化

3時00分

上体のほぼ胸の部分まで脱ぎ終わりました。

アトジロサビカミキリ羽化

(ティッシュ上に移しています)

3時05分あと一息!

アトジロサビカミキリ羽化

3時10分

んんんむむむぅ〜〜〜ん!!!

もう、アトジロサビカミキリの特徴が良く判ります。

アトジロサビカミキリ羽化

3時13分

どりゃぁああああ〜〜〜!

見事羽化しました。

アトジロサビカミキリ羽化

疲れたぁあああ〜〜!

(拡大画像あります)

週末土曜日夜羽化の兆候を感じ、日曜にかけての羽化だったこともラッキーでした。

羽化そのものは、始まってしまうと思っていたより早く進行する印象でした。

アトジロサビカミキリ羽化

12時20分

(拡大画像あります)

およそ9時間後には“未成年”、いわゆるテネラルの状態ですが、美しい若者になっていました。

 

里山から山地まで、非常にポピュラーな

いわばありふれたカミキリムシですが、

羽化に至る過程と直後の淡い色の個体は、

感動的な美さでした。

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