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ハイイロヤハズカミキリ[Niphona furcata (Bates,1873)]

分類:

カミキリムシ科:フトカミキリ亜科:サビカミキリ族:ハイイロヤハズカミキリ属

体長:

12〜20.5mm

食樹:

マダケ、リュウキュウチク、メダケ、アズマネザサ、ネザサ、ヤダケ等イネ科

分布:

本州、伊豆諸島、飛島、粟島、佐渡、冠島、隠岐(おき)、四国、九州、対馬、壱岐(いき)、屋久島、吐喝喇(とから:喝は口へんに葛)列島、奄美諸島、沖縄諸島

時期:

4〜8月

特徴:

全体に淡い茶または灰色の微毛に覆われています。翅端は矢筈(やはず)型に突き出ています。肩には明確で大きな瘤状の盛り上りがあります。幼虫は竹や笹の節の内側を食べます。

注意点:

近似近縁にヤノヤハズカミキリがいますが、分布が沖縄諸島などに限られること、前胸背の瘤の形が異なること、翅端内角外角ともに突出することなどで見分けられます。他にはシルエット、サイズ、翅端の突き出し、肩の瘤など特徴的なので、同定は容易な部類です。

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【外観】

顔:拡大画像あります

“肩”に大きな瘤(こぶ)

全体(標本):拡大画像あります↑

翅端は“矢筈(やはず)”形

幼虫(孟宗竹から)

ヤハズ(矢筈)の名前の通り、翅端が弓矢の羽(矢羽根)のような形に見事に付き出しています。ちなみに“矢尻(多分こちらが当て字)”というのは“鏃”と書き、矢の先端部分のことを言います。英語では“arrowhead”なので、“矢頭”ですが、これは和弓の場合別の弓道具のことで、調べてみると案外厄介です。
なお、矢筈の筈は弦を通す溝のことらしく『そんな筈ないだろ!』という語源になっているとか、いないとか。(写真上左、写真中央下)閑話休題
堅く噛り難い印象のある竹を噛る割りには、呑気なオジサンのような顔をしています。(写真中央上)
“肩”には立派な瘤(こぶ)がありますが、まさか笹の内部でずり落ちないため?(写真上右)

【棲息場所】

関東地方の低山や里山では良く見かけるアズマネザサ

(半端に整理された)孟宗竹(もうそうちく)

初夏から夏にかけて、笹や竹についているところを採集されている方もいらっしゃいます。また灯火にも来るそうですが、虫との出逢いがほとんど無くなる真冬に、枯れた笹や竹から新成虫を割り出す方法が一般的です。我家では飛翔中をネットに入れたこともありますが、その他は材から幼虫や成虫を割り出しています。
ファーストフード店で出されるストローくらいの細い笹や、親指よりも太いくらいの竹まで、かなり手広く食害するようです。笹の場合、黒い斑点が浮いているような、かなり枯れ進んだ材から良く出て来ます。

参考ページ

2008年1月笹から割り出しの様子

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