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秩父天牛オデッセイになり損ねた旅 '08a 我家的拠点

2008年ゴールデンウィーク 憧れを追い続ける旅:

   土場消滅!カエデひっそり! 天は自ら掬うものを救う?

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今年は春に大雨があって、あちこちで被害が出ていました。秩父でも浦山で一晩に200ミリの豪雨があったりして、気になっていました。

小さな崩落は覚悟していましたが・・・

分岐から渓谷沿いの宿に向かう道路では道幅半分が無くなっているところが数ヶ所ありました。特にここでは、崩落の中央部は鉄板の上を走ることになっていて、通過するとゴァンゴァンと見事に恐ろしい音が聞こえます。

あれっ!?

土場が見事に無くなっています。

目的の半分が無くなってしまったような虚無感に襲われます。宿の方のお話しでは、完全に撤収してしまい、この林道での伐採は当分無いとか。

時季がやや遅いものの、ここにはヒノキが集積され、夜にはビャクシンカミキリが・・・集まるはずだったのにぃ〜〜

宗旨替え

ではありません。当初の予定通り沢筋のクルミ類やハンノキ類をチェックするため、対岸に渡ります。

歩きやすく木道が整備されています。

木漏れ日が奇麗・・・花は無いので下を向いて歩きます。落ち枝を拾いながら。

おっ

カミキリが顔を出してます。
(拡大画像ありません)

顔の周囲に少し黄色っぽい部分が見えます。

・・・ってことは、つまり

ブロイニングカミキリ

端正なお姿で、御成ぃ〜、であります。

山地でないとお目にかかれないカミキリのようですが、我家では昨年から“ご縁”がありまして、材から多くが羽化してくれました。野外で活動中の個体にお目にかかりたかったのですが、まだ早かったようです。それでも材の中でこれだけ色付いていますので、間もなく付近を翔びまわることでしょう。

遊歩道を抜け、更に歩くと、開けた場所がありました。そこにはウワミズザクラが2本、花の盛りを迎えたらしく、小虫も来ているようです。

掬うカエデがなければ、こっちに集まって来ても良いんじゃないかと、当然考えます。

で・・・掬っちゃって!.net

実は、この付近のカラマツに熊のツメ跡がありまして、『こんな近いところにも来るんだにゃあ。脂(やに)も出てるじゃん!』と、パチリ。

宿の方にお見せしたら『熊注意の札出さないと!』ですって(゜〇゜;)

撮り手は熊鈴を車載していたので、それ以降は鈴付けながら、二人離れないように掬い続けることにしました。大丈夫と思っても緊張しますね。

以下ここで得られたカミキリムシの一部です。

カラカネハナカミキリ

サワグルミの枝先(葉と開きはじめた花が垂れていました)を掬ったところネットに入りました。これも我家では縁が薄いカミキリムシで、嬉しい一頭でした。色の変異があり、これはオレンジ色の金属光沢がありました。

初遭遇したものは小豆(あずき)色でした。

コボトケヒゲナガコバネカミキリ

今回は、ヒゲナガコバネ類を諦めかけただけに、山のカエデでホソツヤ、このウワミズザクラでコボトケが得られたのは、決して想定外の“嬉しい誤算”ではありませんが、やはりいてくれると興奮してしまいます。

キクビアオハムシ

閑にしていた撮り手が、日陰の下生えをビーティングしていたところぽろりと落ちました。

大型で美しいハムシです。ハムシ類も同定が厄介ですが、このサイズ、この美しさ。Web 検索でも沢山ヒットしました。

少し上流でキャンプ場を造成していました。

お仕事中の方に、『樹皮をめくったり折ったりしませんので、虫を探させてください』、とお願いしたところ『あいよ。構わねぇから丸太でも何でも好きなだけ持ってきな!』快く許可していただきましたが、流石に丸太は・・・(^.^)

(拡大画像ありません)

残念ながらカミキリは集まっていず、シロトラカミキリ(勿論持ち帰り)とヒメスギカミキリが歩いていたくらいでした。

虫はあまり採れませんでしたが、地元の方の暖かい人柄が嬉しかったです。

ご親切にありがとうございました。

以下、宿の灯りにやってきた蛾をご紹介させていただきます。

美味しくてボリュームのある夕食。

食堂は昼も営業していて、蕎麦を食べましたがしっかりしていて美味しかったです。

ここでは食事も楽しみですが、夕食後は、灯りにやって来る春の蛾がやって来るのを待ちます。

アカハラゴマダラヒトリ

腹部が赤く、カミキリとは色が逆ですがゴマダラ模様のヒトリガ。判り易いですね。

エゾヨツメ → 正面画像

これは、嬉しかったです。蛾好きの方達の中でも人気者らしいですが、後翅にある大きな眼状紋がナイスです。

バーベキューテントの灯りに来ていました。

ギンモンカレハ

これも名前そのまま、銀色に輝く大きな紋を持っています。

イボタガ

今年も逢えました!

昨年のものよりもスレが無く、金色の翅に複雑な模様が泣かせてくれます。

エゾヨツメ、イボタガ、オオシモフリスズメ、3種で春の憧れトップスリー揃い踏みだったのですが、オオシモフリスズメとの出逢いはまだありません。

オオミズアオ

見事な長い尾を持っています。

一瞬オナガミズアオだ!と色めきましたが、オオミズアオでした。瑞々(みずみず)しい個体でした。

みんなで作る日本産蛾類図鑑さま、いつもありがとうございます。

テングアツバ

『天狗だ!』

テングをキーワードに確認できました。見事なテング振りですね。

ウンモンスズメ

緑色の美しいスズメガです。

スズメガは胴が太く、精力的な飛翔をしますので、引いてしまわれる方もいるかもしれませんが、この美しい緑を見れば、印象が変わるのでは?

 

 

今回は、出だしから渋滞で躓(つまず)いてしまい、

漸く到着してみると土場が消滅してしまったり、

カエデの花の季節とは微妙にズレてしまったり、

どちらかというと当てが外れてしまった部分もありました。

それでも、森のクマさんが近くにいることが判って

ちょっとしたスリルを味わってみたり、

掬える花がほとんど無いと言われる沢筋に

ウワミズザクラのポイントを見つけたりと、

楽しい発見や出逢いもちゃんとありました。
 


この場所で出逢ったカミキリムシたち

  カラカネハナカミキリ

  キバネニセハムシハナカミキリ

  コボトケヒゲナガコバネカミキリ

  サビカミキリ蛹(材より割出し)

  シロトラカミキリ

  セスジヒメハナカミキリ

  トゲヒゲトラカミキリ

  ヒナルリハナカミキリ

  ヒメスギカミキリ

  ブロイニングカミキリ(材より割出し)

  ミヤマルリハナカミキリ
 


宿をはじめ、現地でお世話になったみなさま、

あらためてお礼申し上げます。

どうもありがとうございました。

 

『憧れを追い続ける旅』まだまだ続けます!!

次はいつ来られるかな・・・・
 

 

★今回出逢ったカミキリムシたちのまとめ(50音順)★

  アカイロニセハムシハナカミキリ 4exs SW(カエデ)

  カラカネハナカミキリ 1ex SW(サワグルミ)

  キバネニセハムシハナカミキリ 14exs
   
[SW(カエデ)×13、SW(ウワミズザクラ)×1]

  キンケトラカミキリ 1ex SW(カエデ)

  コボトケヒゲナガコバネカミキリ 2exs SW(ウワミズザクラ)

  サビカミキリ蛹 2exs 割出し(ハンノキ類?)

  シロトラカミキリ 16exs
   
[SW(カエデ)×7、SW(ウワミズザクラ)×8、LK(カラマツ材)×1]

  セスジヒメハナカミキリ 2exs
   
[SW(カエデ)×1、SW(ウワミズザクラ)×1]

  チビハナカミキリ 4exs SW(カエデ)

  チャイロヒメハナカミキリ 1ex SW(カエデ)

  トゲヒゲトラカミキリ 19exs以上
   
[SW(カエデ)×9、SW(ウワミズザクラ)×10以上] 

  ナガバヒメハナカミキリ 1ex SW(カエデ)

  ピックニセハムシハナカミキリ 3exs SW(カエデ)

  ヒナルリハナカミキリ 16exs
   
[SW(カエデ)×8、SW(ウワミズザクラ)×5、SW(オニグルミ)×3]

  ヒメクロトラカミキリ 15exs以上
   
[SW(カエデ)×5、SW(ウワミズザクラ×10以上)]

  ヒメスギカミキリ 2exs LK(スギ材)

  フタオビヒメハナカミキリ 3exs SW(カエデ)

  ブロイニングカミキリ 1ex 割出し(サワグルミ?)

  ホソツヤヒゲナガコバネカミキリ 2exs SW(カエデ)

  ミヤマルリハナカミキリ 4exs
    
[SW(カエデ)×2exs、SW(ウワミズザクラ)×2]

 

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